松坂大輔氏 優勝の仙台育英に感じた昔とは違う「強さ」 実は中3時に誘い受けていた

[ 2022年8月23日 04:10 ]

第104回全国高校野球選手権第14日・決勝   仙台育英8―1下関国際 ( 2022年8月22日    甲子園 )

<仙台育英・下関国際>観戦に訪れた松坂大輔氏(撮影・藤山 由理)
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 1998年に横浜のエースとして甲子園で春夏連覇を果たした元西武の松坂大輔氏(41=スポニチ本紙評論家)が、甲子園のネット裏から決勝を観戦した。東北勢初となる仙台育英の優勝を見届けた松坂氏は、同校との意外な縁を明かし、当時と今の東北のチームの違いなどを語った。

 仙台育英と下関国際。ともに貫禄や風格など「さすがここまで勝ち上がってきたチーム」という雰囲気が伝わってきました。東北勢初の優勝。大会期間中にも感じましたが、仙台育英は個々の選手の能力が高く、非常に層が厚い。あれだけの数の投手を育て、そろえるのは本当に大変なこと。どこの高校も目指していながら、なかなかできないことです。

 決勝でポイントになったのは1点を追う5回、無死一、二塁での下関国際の攻撃。ここで犠打に失敗し、さらに併殺でチャンスを逃してしまいました。投手である古賀康誠選手がバントを決められなかったことが、直後の自身の失点に影響したかもしれないです。下関国際は流れをつかみ損ね、逆に仙台育英は斎藤蓉投手の好フィールディングなどうまく守った。勝敗の分岐点になったと思います。

 自分は98年春、夏の甲子園11試合で東北のチームとの対戦機会はなかったです。練習試合などでも、例えば仙台育英ともおそらく対戦したことはありません。ただ、仙台育英には中学3年生の時に誘いを受けました。当時は選手が丸刈りではなく長髪で知られ、かつ甲子園常連校。行ってみたい気持ちがありました(笑い)。

 当時、東北のチームに「強い」というイメージは正直持っていなかったように思います。どこか気持ちが優しいような感じで、西日本、大阪のチームなどの方が気持ちの強さは感じていましたね。ただ、今大会の東北勢にはひ弱さのようなものは全くありませんでしたし、昔とイメージは全然違います。確かに優勝は初めてかもしれませんが、関東や関西の強豪とも十分に渡り合える。いつ優勝してもおかしくなかった。練習環境、方法なども変わったのでしょう。ぜひ一度、取材に行ってみたいですね。

 久々に見た甲子園の決勝。9回、7点を追う下関国際が1死から連打を放つと、スタンドは大きな拍手に包まれました。高校野球ならではの、素敵な光景でした。(スポニチ本紙評論家)

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2022年8月23日のニュース