鹿児島実エース・赤崎 8回128球で自責ゼロも失策響き逆転負け 力投実らずも「とても楽しかった」

[ 2022年8月11日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権第5日・2回戦   鹿児島実1-2明秀日立 ( 2022年8月10日    甲子園 )

<明秀日立・鹿児島実> 6回2死、鹿児島実・赤崎は明秀日立・小窪を空振り三振に抑え雄叫びを上げる (撮影・後藤 大輝)
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 夢の舞台で鹿児島実の赤崎は思う存分に腕を振った。「1試合でも多く勝って、応援してくれている方に恩返しがしたかった」。先発して8回2失点も自責点は0。128球の力投は、惜しくも勝利には届かなかった。

 「甲子園はとても楽しかった。最後まで投げ切れてよかった」

 中盤まで優しかった甲子園の魔物は、1点リードしていた終盤に襲ってきた。7回、8回と守備の失策で逆転を許した。明秀学園日立は春夏連続出場。“経験”で一日の長があった。宮下正一監督は、新型コロナ感染防止のため、甲子園練習がなかったことに不安を感じていた。

 センバツで、鹿児島大会決勝で鹿児島実と戦った大島を撃破した相手でもあった。赤崎は「チームメート内で“大島の分まで勝つ”という話をしていた」と、敵討ちへ気合十分だった。序盤からスライダーとチェンジアップを効果的に使い6回までスコアボードに0を並べ、逆転されても最後までマウンドに立ち続けた。宮下監督は「100点の投球」とねぎらった。

 赤崎は昨夏の県大会決勝後に左肘の疲労骨折が判明。投球を本格的に再開したのは今年の4月からだ。チームは昨秋、今春と鹿児島大会で結果を出せず今夏の鹿児島大会はノーシードで臨んだ。5月には部内で新型コロナウイルス陽性者が発生し、2週間の活動停止もあった。

 初戦で春の九州大会王者の神村学園に勝利し、一戦ごとに力をつけて甲子園までたどり着いた。エースも4年ぶりの出場をけん引した。指揮官は「よく頑張ったし苦しかったですけど、(選手には)ここまで連れてきてくれて感謝したいです」と涙を拭った。

 打線は相手と同じく6安打を放ったが押し出しの1点のみ。今日の経験を教訓に、伝統校・鹿児島実は挑戦を続ける。 (杉浦 友樹)

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2022年8月11日のニュース