代役4番の広島・龍馬 先制V撃で後半戦初の連勝 外角球を右手一本で「“いってまえ”と打った」

[ 2022年8月11日 04:45 ]

セ・リーグ   広島4-1ヤクルト ( 2022年8月10日    マツダ )

<広・ヤ>初回、適時打を放つ西川(撮影・岡田 丈靖)                
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 広島・西川龍馬外野手(27)が10日のヤクルト戦で初回に先制の決勝打を放った。発熱と体調不良で登録外となったマクブルームの代役として2試合連続で務めた4番の仕事を果たした。九里亜蓮投手(30)は6回無失点の粘投で69日ぶりの先発勝利。投打がかみ合って後半戦初の連勝で、分が悪かった首位・ヤクルトに2カード連続の勝ち越しを決めた。

 離脱した分の思いも込め、チームの不測の事態に奮い立った。「ライアン(マクブルーム)が戻ってきたら、また(打順は)戻るけど、チャンスの打席は(走者を)還したい」。4番に入る西川の勝負強さが、マクブルームの不在を感じさせない連勝をもたらした。

 4番としての見せ場は、初回にやってきた。1死一、二塁の先制機。カウント2―1から星の外角フォークに反応し、最後は右手一本で引っ張って一、二塁間を抜いた。この先制打が復帰後初の決勝打となった。

 「近い球(内角)を引っ張り込んだろうと思っていたけど、(外角球を)たまたま“いってまえ”と打った」

 下半身のコンディション不良で2カ月間も1軍を離れた。チーム事情により、実戦復帰からウエスタン・リーグ10打席のみで緊急昇格。「ほぼ試合勘がないまま来たので、球を見ながら少しずつ(状態が)上がっていけば…と思っていた。(安打が)意外とポンポン出ているのは飛んだ場所がよかったというのもある」。手探りの状態ながら、復帰4試合で16打数6安打(打率・375)とさすがの打撃技術が光る。

 実力だけでなく、振る舞いも中心選手にふさわしくなってきた。全体練習前の自主練習では、ブルペンで黙々とバットを振るのが日課だった。一転、今年からは早出練習を終えた大盛と2人で打撃練習をする機会が増えた。後輩から指導を頼まれて始まった2人きりの打撃練習。「もっと下半身を使って」「右膝を開いたらアカン」。これまでマイペースと言われてきた西川が後輩のために時間を割くのは、中心選手としての自覚の表れ。そして、チームが正念場に直面しているとなれば、復帰予定も前倒しして1軍に帰ってきた。

 復帰後は3勝1敗。11日にはマクブルームが再合流する見込みで、ベストメンバーが先発にそろう日も近い。「勝ちも続いている。そこに関しては、いいんじゃないですか」。久々に“龍馬節”も戻り、チームの雰囲気も明るく変わった。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督(代役の4番を務める西川について)当然、龍馬の場合はそれだけの実力がある。ライアン(マクブルーム)がいないですけど、みんなでカバーできている。

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