巨人・戸郷“8度目の正直”初の2桁勝利「3年かかった、長かった」

[ 2022年8月11日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―1中日 ( 2022年8月10日    バンテリンD )

<中・巨>10勝目を挙げ、笑顔の戸郷(撮影・河野 光希)
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 やっと届いた。プロ初の2桁10勝目を挙げた巨人・戸郷は、「3年かかったので、いろんな気持ちがあった。長かった」とホッとした表情を見せた。

 20、21年と連続で9勝。王手をかけてから通算8度目の挑戦だった。今季最多138球を投げ、8回1失点で自己最多の12奪三振。9回2死から中田のソロで勝ち越し、白星が転がり込んだ。「野球は最後まで何が起こるか分からないなと見せつけられた」。目を丸くして喜んだ。

 ライバルから学んでいた。球宴では阪神・青柳に「2桁勝つにはどうしたらいいですか」と質問した。答えは「投げて、バッターの援護を待つだけ」とシンプル。この日はまさに助言通りの投球。息詰まる投手戦で粘り「今日はそれができた」と胸を張った。

 開幕前は苦しんだ。開幕投手候補にも挙がっていたが、キャンプ終盤の実戦では精彩を欠き2軍落ち。悔しさをにじませながらも、冷静に見つめ直した。「いろいろ考えすぎていた。まずは強いボール」と原点回帰。復調し、開幕ローテーションに滑り込んだ。今や立派な柱だ。

 昨季は登板の半数(26試合中13試合)だったクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)が、今季は18試合中15試合。週1回だったブルペン投球を2回に増やすなど、調整を工夫し「精度も落ちることなく、長いイニングを投げられている」と語る。

 オフの契約更改では「自分にプレッシャーかけてやっていけたら」と目標を最多勝に設定した。10勝の壁を破り、リーグトップの青柳に2勝差。「チームの優勝に向かって全力で腕を振っていきたい」。エースへの階段を上り続ける。(小野寺 大)

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2022年8月11日のニュース