大阪桐蔭 史上最速で甲子園70勝目 夏も一発攻勢!史上2校目の秋春夏3冠へ視界良好の発進

[ 2022年8月11日 04:06 ]

第104回全国高校野球選手権第5日・1回戦   大阪桐蔭6-3旭川大高 ( 2022年8月10日    甲子園 )

<大阪桐蔭・旭川大> 7回無死、勝ち越しホームランを放つ大阪桐蔭・伊藤 (撮影・亀井 直樹)
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 1回戦2試合と2回戦1試合が行われた。今春選抜覇者で3度目の春夏連覇と史上2校目の秋春夏3冠を目指す大阪桐蔭は、最大3点のビハインドを背負ったが、今春選抜で大会記録更新の11本塁打を放った強力打線が夏も初戦から本塁打攻勢を掛け、旭川大高に逆転勝利。史上最速で春夏通算70勝に到達した。

 あわてない、焦らない。それもまた強さの理由だ。大阪桐蔭が3度目の春夏連覇、史上2校目の秋春夏3冠へ逆転発進。3―3と同点の7回、先頭で節目のチーム春夏通算90号の決勝ソロを放った1番・伊藤櫂人は、一丸の粘りを強調した。

 「(先発の)川原を助けるために結果的にホームランになっただけで、次につなごうと打席に入りました。良い流れではなかったんですけど、その中で、どう粘れるか。悪い中で誰かがカバーするということができた」

 初回に先制され、3回には2ランを被弾。立ちはだかる相手を次々と圧倒して優勝した今春選抜では先制を許すことも、本塁打を浴びることもなかった。思わぬ3点劣勢。動揺が走ってもおかしくない状況だったが、そこでどっしり構えるのが“横綱”たるゆえん。3回に2点を返すと、6回から打線が本領を発揮した。回の先頭、5番・海老根優大が左越えへ今大会チーム1号を放ち、まず同点。続く7回には伊藤の一発で勢いづき、そこからの4連打で一気に3点を勝ち越した。効果的な2発が王者に本来の姿を取り戻させた。

 チームでは甲子園に出場するたびに野球カバンを新調しており、今夏は黄色。部長、コーチらと相談して決定したというメーカー担当者は「前回、春夏連覇を達成した18年夏はゴールドで、それに近い色にしようと。挑戦できるのは彼らだけ。ぜひ達成してほしいという思いも込めさせていただきました」と説明した。黒土に映える“幸福の黄色いカバン”も、偉業へと背中を押す心強い味方だ。

 点差以上に底力を誇示した1勝で、節目の春夏通算70勝目に史上最速で到達した。伊藤とともに打線をけん引した海老根は「こういう苦しい試合を突破した方が勢いはある」とうなずいた。目指す頂点まで残り5勝。道のりは長く険しいが、必ずや、たどり着く。 (北野 将市)

【大阪桐蔭 データ集】
 ◯…大阪桐蔭が旭川大高に勝ち、史上10校目となる春夏通算70勝目を挙げた。智弁和歌山と並んで歴代9位タイに浮上。初勝利は1991年選抜1回戦・仙台育英戦(10―0)。通算84試合目での到達はPL学園の86試合を抜き、史上最速到達となった。また夏通算39勝目となり、県岐阜商と並ぶ歴代9位タイに浮上した。
 ◯…大阪桐蔭は旭川大高戦で海老根、伊藤が本塁打を放ち、春夏通算90本塁打に到達。2位はPL学園の同70本。
 ◯…大阪桐蔭が勝ち、大阪府勢は夏通算180勝目。183勝の東京に次ぐ都道府県別2位。すでにトップの春夏通算勝利数も390勝とした。
 ◯…大阪桐蔭は前年秋の明治神宮大会から全国大会9連勝。同一チームの秋春夏3季にかけた全国9連勝は98年横浜以来、史上2校目となった。過去に“秋春連覇”した3校のうち、84年岩倉(東京)、02年報徳学園(兵庫)は、ともに神宮大会から選抜決勝までの8連勝でストップした。

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2022年8月11日のニュース