阪神まさか…「エース青柳先発」「大野雄登板回避」「最高勝率の金曜日」好条件そろっていたのに

[ 2022年7月2日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1ー3中日 ( 2022年7月1日    バンテリンD )

<中・神>8回2死二塁、A・マルティネスの勝ち越し2ランを浴びて座り込む湯浅(撮影・大森 寛明)
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 阪神は1日の中日戦で1―3と競り負け、今季4度目の4連敗となった。相手エースの大野雄が試合開始直前に先発回避し、中継ぎ要員の藤嶋が緊急先発した一戦。自軍もエース・青柳晃洋投手(28)の先発試合で、敵軍の非常事態につけ込み必勝を期したが、打線が好機で攻めきれなかった。同点に追いついた直後の8回に湯浅京己投手(22)がA・マルティネスに決勝2ランを浴び、痛恨の黒星を喫した。

 無情にも虎党の待つ左翼席にグングン伸びていく放物線を見送り、湯浅はマウンドにしゃがみ込んだ。1―1の8回2死二塁で打者はA・マルティネス。通算34試合目でのプロ初被弾が、痛恨の決勝2ランとなった。

 「経験の浅い投手を使っているし、アイツが成長した証として、あそこで投げられているので、打たれたことは全然構わない。逃げたわけでも、なんでもない。でも、あの場面であの球を打たれるということが、次どうするか、あいつの中の経験値として肥やしにしていかないと。“目いっぱい投げました、打たれました”。それだけではプロで生きていくためのプラス材料にはしていけない」

 矢野監督は今季3敗目となった22歳の右腕を責めず、この経験をバネにしてくれることを期待した。ただ、前日6月30日のDeNA戦では9回に守護神の岩崎が逆転サヨナラを許したばかり。チームの生命線を担う2人で喫した黒星は重い。

 試合前から強烈な追い風が吹いていた一戦だからなおさらだ。6月24日の甲子園での対戦に続き、今季3度目の「エース対決」が予告されていた中、大野雄が背中の張りで登板回避。敵軍は中継ぎの藤嶋が緊急先発することになった。一方で阪神は防御率、勝利数、勝率のリーグ3冠をひた走る青柳を先発に立てた一戦だった。さらに、チームは今季の金曜日は試合前時点で曜日別最高の勝率・667を誇っていた。横浜で喫した3連敗から巻き返す条件は、これ以上なくそろっていたはずだった。だが…。

 「DeNA戦でもそうやったけど、ちょっとかみ合わないというね。走者が出てから還せないというところが、ちょっと続いている。積極的にはいけているので、そこにプラスアルファ、(要素を)合わせていかないと」

 指揮官が嘆いたように、苦肉の継投策に出た相手に2、4、5、7回と得点圏に走者を進めながら、あと一本が出ずに無得点。0―1の8回にようやく糸原の中前適時打で追いついたが、序盤に試合の主導権を握れていれば、結果は違ったかもしれない。バンテリンドームでは、これで1勝6敗。内弁慶のままでは、上位浮上は見えてこない。(山添 晴治)

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2022年7月2日のニュース