虎の7月反攻は佐藤輝が引っ張る 長打量産ムードや 二塁打2本で“キング”独走24本目

[ 2022年7月2日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1ー3中日 ( 2022年7月1日    バンテリンD )

<中・神>8回、佐藤輝は右中間二塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 フラストレーションがたまる一戦において、阪神の4番・佐藤輝は気を吐いた。2本の二塁打を放ち、打線をけん引。それでもチームが敗れては、笑顔もない。試合後の取材の冒頭には報道陣と選手を隔てる柵に突っ伏しながら「…って感じです」。声にならない悔しさを“体現”した。

 「何とか速い球に振り負けないように。一生懸命、振りました」

 8回は先頭の近本が遊撃への内野安打で出塁も、自身の打席の初球に盗塁死。しぼみかけた反撃への機運を、一振りで取り戻した。カウント1―2からの4球目、ロドリゲスの投じた外角高め156キロをフルスイング。火を噴くような打球は、瞬く間に中堅フェンスを直撃した。前夜にDeNA・エスコバーから放った12試合ぶりの14号弾と同様に、剛速球を打ち返した一打が状態の上向き具合を物語る。「速い真っすぐを捉えられたのは、よかった」と本人も手応えをにじませた。

 2回先頭の1打席目にも緊急先発の藤嶋から右翼線に二塁打を放っており、二塁打数はリーグトップ独走の24本。「1打席目からしっかり打てたのはよかった」とうなずく一方で、本人が反省したのは1点劣勢の4回無死一、二塁で迎えた2打席目だ。左腕・福の142キロ直球に詰まらされ、痛恨の二ゴロ併殺に倒れて同点機をスルリ。この日を含む4連敗の期間中は、打線全体に走者を出しながらも決定打を欠く展開が散見される。それだけに、主砲としての責任感をにじませた。

 「チームとしても本当に“あと一本”というのが続いているので…。そこを何とか自分が打てるように、頑張りたいです」

 月間打率・318、10本塁打、29打点をマークして6月反攻をけん引した大山が、ここ4試合で15打数1安打と小休止状態。となれば、次なる打線の旗振り役はこの男しかいない。「後ろに心強いバッターがいる。自分も打ちたい」と佐藤輝。7月反攻の先頭に立つ。(阪井 日向)

続きを表示

2022年7月2日のニュース