PL学園元監督・中村順司氏 勢揃い教え子の前で“力強い”投球披露「初めての始球式で緊張しました」

[ 2022年5月24日 18:30 ]

交流戦   中日―西武 ( 2022年5月24日    バンテリンD )

<中・西>始球式を終え、教え子である立浪監督(手前)からあいさつされる元PL学園監督の中村順司氏(撮影・椎名 航)
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 PL学園の元監督で、甲子園春夏通算58勝(10敗)、通算6度の優勝を成し遂げた中村順司氏(75)が24日、バンテリンドームで行われた中日―西武戦の始球式に登板した。

 登板前には中日ベンチ前で福留とキャッチボールするなど準備。立浪監督の背番号「73」のユニホームを身につけ、マウンドに上がった中村氏は、ワンバウントとなったが捕手の木下へ力強い投球を見せた。

 「初めての始球式で緊張しました」という中村氏は、立浪監督のユニホームを着用したことには「すごく重いです」とキッパリ。立浪監督に向けては「卒業してから、中日で2000安打を打つような選手になって。私も20年ほど名古屋に住んだのですが、その間、彼が引退した後も、“いつ立浪監督になるかな”という声を聞いたりした。今、こうして監督になって、こういうチャンスをもらったことは感謝しています」などと話した。

 また、立浪監督の指揮については「大きな補強もないなか、勝率5割を保つところにいる。これを機に上昇してほしい」とエール。高校時代は「無口」だったという立浪監督を振り返りつつ、「彼はプレーで引っ張ってくれた。練習でも“俺を怒らすなよ”と言いながら、細かいプレーなども、彼に頼っていた。春夏連覇したキャプテンですから、それが今にいきているのでは」と、素晴らしい指導者になると太鼓判を押した。

 この日は西武の松井ヘッドコーチ、平石打撃コーチ、現役最年長の中日・福留ら教え子たちが勢揃いし、さながらPL学園の同窓会のようだった。「福留もまだ現役。すごいなと思う」と、45歳で現役を続ける福留にもエールを送っていた。

 ▼西武・松井ヘッドコーチ 球場に着く前に連絡しましたが、ちょうど向かっているところでしたね。『楽しみにしています』とお声がけさせていただきました。中村監督には、現役時代も引退してからも、よくお電話をいただいて、体の使い方などを話しました。感慨深いものがありますが、名古屋の地で元気な姿を見られることが楽しみです。

 ○…中村順司氏は始球式で投げたボールを、バンテリンドームに招待していた、ある母娘に手渡した。立浪、片岡世代の夏の甲子園決勝戦で2番・捕手だった伊藤敬司さんの桂子夫人(52)、長女・心菜さん(18)だ。伊藤さんはPL学園を卒業後、青山学院大、社会人のJR東海でもプレーし、コーチも務めていたが、難病の筋萎縮性側索硬化症に侵され、闘病中は立浪監督らもお見舞いに駆けつけたが、15年に死去。桂子さんは「主人もきっと喜んでいると思います」と感謝し、立浪ドラゴンズの躍進を願っていた。

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