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【スポニチスカウト部(14)】富士大・金村尚真 ライバル日体大・矢沢からアドバイスでスライダー完成

[ 2022年5月24日 05:45 ]

150キロの直球と多彩な変化球を操る金村
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第14回は富士大の最速150キロ右腕・金村尚真投手(21)。大学生投手で屈指の完成度を誇る「即戦力投手」は、ドラフト戦線のライバルから新たなウイニングショットを授かった。

 沖縄で育った金村は、腕を磨くために北上し続けた。岡山学芸館では、母・かおりさんの作るカレーライスが恋しくなった。岩手・富士大では雪かきをしてからやっと、キャッチボールができる「東北の冬」に心が折れそうになった。だが、どんな逆境にも負けるつもりはなかった。

 「親がたくさんのお金を出して、県外に入学させてくれたことに感謝しています。プロになることが親孝行になる。一回も思いを曲げずにやってきました」

 プロが喉から手が出るほど欲しい「即戦力投手」だ。最速150キロを誇る右腕は、カットボールや90キロ台のカーブなど多彩な変化球でコーナーを突き、先発投手としてゲームをつくる能力にたけている。昨年12月に松山市で行われた大学日本代表候補合宿では紅白戦に先発し、2回を完全投球。今秋のドラフト上位候補に挙がる立大・山田健太内野手(4年)からは直球で空振り三振を奪い「凄い選手に通用すると分かって自信になった」と手応えを得た。

 代表候補合宿では「お土産」を持ち帰った。今秋ドラフトの目玉とされる日体大の二刀流左腕・矢沢宏太投手(4年)から、スライダーの投げ方について「真下に投げる意識」とアドバイスを授かった。実践すると、ボールは目の前で大きくワンバウンドしたが、その後、試行錯誤を重ねて切れ味が増したスライダーを完成させた。

 富士大では4度のリーグ優勝を経験。3年春のリーグ戦ではノースアジア大戦で完全試合も達成したが「全国で勝たないとプロの評価にならない。プロに行く以上、1位で行きたいという思いはあります」という。金村は全日本大学野球選手権(6月6日開幕、神宮など)での投球が、試金石だと思っている。(柳内 遼平)

 ≪監督のハッパに応え練習量アップで優勝≫今春のリーグ戦で、富士大は4季連続37度目の優勝。2年連続15度目の出場となる全日本大学野球選手権へ向け、安田慎太郎監督は「全日本でも抑えてくれると思います」と金村に期待を込めた。昨秋の練習試合で連敗が続いた新チームに、指揮官は「今の実力だと春(のリーグ)は2位か3位。このままじゃダメだ」と呼びかけた。従来は半日練習だったが、午前8時から午後8時まで練習を続け、下位まで切れ目のない強打線をつくりあげた。猛練習に耐えて成長した選手たちを安田監督は「これからの富士大につながるような取り組みと成果でした」と称えた。

 ☆球歴 上田小3年時に豊見城ジュニアで野球を始める。豊見城中では軟式野球部に所属し、侍ジャパンU―15に選出。岡山学芸館では甲子園出場なし。富士大では1年春からベンチ入り。

 ☆球種 スライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップ、ツーシーム。

 ☆進学 岡山学芸館では「自信が持てる変化球がない」と進学を決意。富士大では七色の変化球で三振を量産。

 ☆投球フォーム テイクバックの小さいフォームは中学時代の捕手、内野手の経験から。

 ☆ライバル 北東北大学リーグでは八戸学院大・大道(広島)、青森大・長谷川(JFE東日本)らと激突。

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