広島・龍馬が帰ってきた! 即日の3安打2打点 大盛、宇草ら躍動に危機感持つも焦らず復帰

[ 2020年10月12日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7-4ヤクルト ( 2020年10月11日    マツダスタジアム )

<広・ヤ(20)>5回無死一塁、堂林の適時打で生還した西川はナインに迎えられる (撮影・奥 調)
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 広島は11日のヤクルト戦に7―4で逃げ切り、カード勝ち越しを決めた。コンディション不良から47日ぶりに復帰し「5番中堅」で先発した西川龍馬内野手(25)が敵のエース・小川の5回途中KOにひと役買った。一挙6点猛攻の起点となり、3安打2打点の大暴れ。中村祐太投手(25)は6回1失点の粘投に適時打も放つ活躍で2勝目を飾った。

 定評あるバットコントロールは健在だった。「5番・センター西川」の先発コールにどよめく本拠地。しぶとい打撃で「H」ランプを3度ともすと、1万5782人観衆の“声援”と拍手に包まれた。久々のひのき舞台で3安打2打点。勝利に貢献した西川は笑顔だった。

 「久々な感じ。お客さんが増え、少し緊張したけど楽しかった。(3安打は)飛んだところがよかった。最初にしてはまずまず。チームも勝てたしね」

 今季2戦2敗の小川KOに貢献した。1―0の5回。先頭打者で放った中前打が起点となった。適時打2本と押し出し2四球を挟んで一巡。なおも2死満塁で、2番手の左腕・久保から打った2点内野安打が6点猛攻の締めだった。初球の内角高め直球を三遊間へ。

 「四球後だったので初球から行こう…と。多分抜け球だけど、逆方向への意識があったから(対応できた)」

 8月26日にコンディション不良で出場選手登録を外れた。「思いのほか長くなったけど、中途半端はよくない。きっちり治そうと思った」。練習熱心。試合中継を見ると「バットを持ってしまう。悪影響がある」。結果のみ情報収集し、リハビリに努めてきた。

 危機感を抱く。自身の離脱によって大盛、宇草ら若手が台頭。今月6日に実戦復帰し、ウエスタン・リーグ3試合に出場する中で「いい選手が2軍にも数多くいる」ことも肌で感じた。「でも焦らんとこ…と」。自分を信じ、取り組むべきことに集中する。その思いは不変だ。

 打率は・326へと上昇した。ただ規定打席にはあと136打席、1試合平均5・7打席が必要で2年連続の到達は極めて厳しい。それでも西川は自らにテーマを設け、残り24試合で今後のために技術を磨くつもりだ。

 「長打にこだわりたい。状況によっては狙ってもいいかな…と」

 ヒットメーカーが抱く飽くなき探究心。若ゴイの成長が急でも、築いた牙城をそう簡単に明け渡しはしない。(江尾 卓也)

 ▼広島・佐々岡監督(西川について)全く問題なかった。先頭打者で出塁したり、2点内野安打も大きかった。やはり、彼の存在は大きい。

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