楽天ドラ6・滝中 デビュー4戦目でプロ1勝!あと1人で完封&完投逃すもチーム4位転落危機救う

[ 2020年10月12日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天8―2西武 ( 2020年10月11日    楽天生命 )

<楽・西>プロ初勝利の滝中はウイニングボールを手に笑顔を見せる(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 楽天のドラフト6位・滝中のデビュー4戦目は、負ければ今季初の4位転落となる一戦だった。負けられない戦いは、社会人野球のトーナメント戦で幾度となく経験。「負けていい試合なんてない。学生だろうと、社会人だろうと、プロだろうと同じ」。25歳のルーキーは、その心意気を自身初の本拠地のマウンドで体現した。

 9月27日の西武戦は2回1/3で5失点。140キロ台前半の直球とカーブ、カットボール、フォーク、チェンジアップ、シュートを駆使し「社会人で学んだ丁寧な投球を意識した」。リズム良く投げ、味方の大量援護を呼び込んだ。Honda鈴鹿2年目の18年。力任せのオーバースローから腕の角度をやや下げることでコーナーへの制球が定まった。無四球の快投はその真骨頂だ。

 小、中学生の頃は消防士になるのが夢だった。中学1年では地元の消防署での職業体験にも参加した。理由は「単純にかっこいいから」。人を助ける仕事に憧れていた少年は、プロ野球選手としてチームを救っている。デビュー戦の9月19日のソフトバンク戦は5回1/3を1失点と好投。この日は9回2死から2点を失い、完投も完封も惜しくも逃し「悔しい。投げきりたかった」と苦笑いしたが、5安打2失点で初勝利をつかんだ。

 この日は東北の青空をイメージした「TOHOKU BLUEユニホーム」を着用して戦う今季唯一の試合。特別な日に、大きな白星を手にした。記念のウイニングボールは両親に送る。「けんかしちゃうので2人ともにあげたい。1個ずつ欲しい」。早くも2勝目へ意欲をのぞかせた。(重光 晋太郎)

 ▼Honda鈴鹿甲元訓(さとる)前監督(滝中の恩師、現Honda統括GM)普段はおとなしいけどマウンドに上がったら闘争心が凄い。マウンドで交代を告げたときに「なぜ代えるんですか」と感情むき出しで言われたことが何度もあった。大学からでもプロは行けたと思うが、「一緒にやろう」という言葉に何かを感じてくれたのではないか。LINEで「初勝利おめでとう」と送ったら、すぐに「謙虚に頑張ります」と返信をくれた。本当に真面目な、良い青年です。

 ◆滝中 瞭太(たきなか・りょうた)1994年(平6)12月20日生まれ、滋賀県出身の25歳。新旭北小3年から野球を始め、高島では2年秋からエース。龍谷大を経てHonda鈴鹿に進み、17~19年の都市対抗、18、19年の日本選手権に出場した。19年ドラフト6位で楽天入団。1メートル80、93キロ。右投げ右打ち。趣味は料理。

続きを表示

この記事のフォト

2020年10月12日のニュース