阪神・スアレス 球団最速161キロで20セーブ到達 藤浪と“160リレー”で沸かせた

[ 2020年10月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-3DeNA ( 2020年10月11日    甲子園 )

<神・D20> 9回を締めたスアレス(撮影・大森 寛明)
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 「完全無欠」を証明した。1点リードの9回に登板したスアレスは、梶谷、ソト、オースティンの上位打線を圧倒して3人斬り。球団最速に並ぶ161キロを計測するなど、場内を沸かせ、節目の20セーブ目を手にした。

 「本当に球速は意識してなかったし、もちろん、アドレナリンは出てますけど。良いバッターだから力を入れたわけではない。良い準備が、しっかり投げられてる証拠だと」

 膨らむ期待を裏切らなかった。1死から迎えたソトに対峙(たいじ)した右腕がギアを一段階上げた。空振りを奪った初球から3球連続で160キロをマークすると、4球目に叩き出したのは17年のドリスに並ぶ球団最速の161キロ。ソフトバンク時代に記録した自己最速の1球に、スタンドのファンのどよめきは一瞬で無数の拍手に変わった。

 8回には藤浪が2度の160キロで場内を沸かせたばかり。160キロ超えコンビが看板通りのパフォーマンスで、チームの1勝に付加価値を与えた。「(球速含め好調の要因は)毎年安定して、球速もそうですけど、しっかりと良い状態を保つのがより大事だと思っているのでそれができていることだと」

 球速やセーブ数だけでなく、いまだ無敗で防御率1・48と抜群の安定感が光る。この日もクイック投法、161キロを投じた際には長く左足を上げるなど1球、1球に変化を加える工夫を凝らしラスト3個のアウトを全力で奪いにいく。影響を受けたのはソフトバンク時代の同僚で通算234セーブを誇るサファテ。「人格者でよく話もしてくれたし、助けてもらった。大きな存在で見本になる存在」とレジェンドから得たものを甲子園のマウンドで体現している。

 「(コロナで離脱した)彼たちがいない間、代わりに来てくれた人たちも頼りになるし、心配していない。本当に助けてくれているので、自分に負担がかかっているとは思っていない」。感情の起伏なく語る背番号75には、風格すら漂った。(遠藤 礼)

 《無敗なら3人目》スアレス(神)がリーグ最速で20セーブ(S)に到達。阪神投手の20Sは18年のドリス(32S)以来で、新加入の選手では16年のマテオ(20S)以来4年ぶり。今季は41試合に登板し、2度のセーブ機会失敗はあるものの無敗。シーズン無敗でリーグ最多セーブなら、97年佐々木主浩(横浜=3勝38S)、09年武田久(日=3勝34S)以来3人目となる。

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