明大・入江、初完封でドラフトへ強烈アピール スカウト「びっくり こんな投球ができるとは」

[ 2020年10月12日 05:30 ]

東京六大学野球 第4週第1日   明大4-0法大 ( 2020年10月11日    神宮 )

7回2死、法大・斉藤を三振に仕留め雄叫びをあげる明大・入江(撮影・河野 光希)
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 東京六大学野球は11日、1回戦2試合が行われた。今秋ドラフト1位候補の明大のエース・入江大生投手(4年)は法大戦に先発し、127球の熱投。13三振を奪い、リーグ戦初完投を完封で飾った。早大の1位候補・早川隆久投手(4年)は東大を相手に7回1失点、13奪三振で勝利に貢献。チームは3勝2分けでポイント4とし、慶大に並んで首位に立った。

 まぶしく映った。入江は前夜、寮のテレビで広島のドラフト1位・森下がヤクルト戦で力投する姿を見つめていた。新人王を争う巨人・戸郷に並ぶ8勝目。DeNAの3位・伊勢も阪神戦でプロ初勝利。憧れの世界で輝く先輩たちの姿に刺激を受け「負けてられない」と奮い立った。

 早大との開幕戦では5回6失点。17奪三振で1失点完投の早川に圧倒された。前回の立大戦では白星も6回3失点。最速153キロを誇る右腕は1位候補の呼び声が高かったが、評価を下げていた。抑えたい気持ちが強すぎて力みにつながった。

 「何かを変えないと」。脱力を意識し、リリースの瞬間だけ力を入れた。さらにフォームを安定させるため走者がいなくてもセットポジションで投げた。「要所で140キロ後半が出ていれば合格かなと。そこまで速い球を投げる投手じゃないですから」。見違えた。最速150キロで13奪三振。初完封に「素直にうれしい」と喜んだ。

 ネット裏で視察した11球団のスカウトも目を見張った。広島の苑田聡彦スカウト統括部長が「こんなに短期間で良くなる投手は初めて見た」と驚けば、ヤクルトの小川淳司GMも「びっくりした。こんな投球ができるとは」とうなった。DeNAの河原隆一スカウトディレクターも「元々評価は高い。これでさらに上がるのでは」と言い、再び1位候補に躍り出た。

 入江は森下を師と仰ぐ。「森下さんは今日の投球を褒めてくれるかな…。駄目出しもされると思いますけど」。憧れの先輩を追い、日々成長を続ける。(松井 いつき)

 ◆入江 大生(いりえ・たいせい)1998年(平10)8月26日生まれ、栃木県出身の22歳。作新学院では2年夏と3年夏に甲子園出場し、3年夏は主に「4番・一塁」で3試合連続本塁打を放つなどして全国制覇に貢献。U18高校日本代表に選出された。明大では投手として1年春からベンチ入り。1メートル87、87キロ。右投げ右打ち。

 《ポイント制》東京六大学野球秋季リーグは従来の2戦先勝の勝ち点制ではなく、2回戦総当たりで47年秋以来となるポイント制を採用。勝ち1、引き分け0・5、負け0で、合計ポイントで順位を決める

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