巨人、超異例!3週間で楽天と2度目トレード 過密日程、手薄な左の中継ぎ…「今季」を見た補強

[ 2020年7月15日 05:30 ]

トレードが発表された巨人・高田(左)と楽天・高梨
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 楽天の高梨雄平投手(28)と巨人の高田萌生投手(22)のトレードが14日、両球団から発表された。左の中継ぎが手薄な巨人と、先発投手を強化したい楽天の補強ポイントが合致した。高梨と高田の背番号はともに「53」。両球団は6月25日にゼラス・ウィーラー内野手(33)と池田駿投手(27)のトレードを行ったばかり。同一球団による短期間で2度目のトレード成立の背景と思惑を本紙記者が分析した。

 巨人にとってはコロナ禍の「今季」を見た補強だ。超過密日程で故障者が出ることを見越し、中継ぎ投手の調査は春先から進めてきた。12球団を当たる中、昨季までの3年間で計164試合に登板も今季1軍出場のない高梨が目に留まり、楽天側に話を持ちかけた。
 守護神のデラロサが6日から左脇腹肉離れで長期離脱中。高梨と同じ左腕の高木が、開幕から18試合で12登板と過多になっていること。さらに先週3試合が雨天中止となり、9月に13連戦、10月に10連戦が組まれたこともトレード成立への動きを加速させた。

 ウィーラーに続き、3週間で同一球団と2件のトレード成立は超異例だが、両球団ともに近年は他球団よりトレードに積極的だ。大塚淳弘球団副代表編成担当は「昔はトレードに出して活躍されたら困ると、飼い殺しをしていた時代があった。今は生かす道があるんだったら探してあげたい」と説明した。新型コロナの影響でメジャーの移籍市場が一時凍結し、選択肢が国内球団を中心に狭まったことも背景にある。

 高田は将来のローテーション候補だが、まだ先になると判断。今季リーグ2連覇を果たすため即戦力の底上げを図った。1軍のリリーフ左腕は中川、高木、藤岡の3人。侍ジャパンの経験もある高梨は実績十分で、サイドスロー左腕というのもチームに不在の希少なタイプだ。
 抑えは沢村を中心として中川、大竹、高木で乗り切る方針。高梨が抑えにつなぐ役割に加われば、昨季も一時抑えを務めた中川を弾力を持って活用できる。(巨人担当キャップ・神田 佑)

 ○…巨人の短期間のトレードとしては、昨年6月26日、日本ハムに吉川光夫と宇佐見真吾を放出し、鍵谷陽平と藤岡貴裕を獲得する2対2のトレードを成立。11日後の7月7日に楽天から古川侑利を獲得し、和田恋を放出したが、同一球団と短期間で複数件のトレード成立の例は見当たらない。巨人は球団別では日本ハムとのトレードが多く、08年オフに行った(二岡智宏、林昌範とM・中村、工藤隆人)の2対2など、03年以降で13件を成立させている。

 ◆高梨 雄平(たかなし・ゆうへい)1992年(平4)7月13日生まれ、埼玉県出身の28歳。川越東では3年夏に県大会4強、早大からJX―ENEOSを経て16年ドラフト9位で楽天入団。18年には球団初の70試合に登板し、侍ジャパン入りも経験。1メートル75、81キロ、左投げ左打ち。

 ◆高田 萌生(たかた・ほうせい)1998年(平10)7月4日生まれ、岡山県出身の22歳。創志学園3年時に春夏で甲子園に出場し、16年ドラフト5位で巨人入り。最速154キロを誇り、西武・松坂のマニアを公言する。1メートル78、83キロ、右投げ右打ち。
 

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