【京都】洛星 笑顔で終わった“超進学校”の夏

[ 2018年7月10日 15:07 ]

第100回全国高校野球選手権記念京都大会1回戦   京都成章4―0洛星 ( 2018年7月10日    わかさスタジアム京都 )

<京都成章・洛星>4回のピンチに、エース水江を中心にマウンドに集まる洛星ナイン(撮影・井垣 忠夫)
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 力を出し切った者だけに許される笑顔があった。0―4と敗れた試合終了後の整列。洛星のエース水江日々生(ひびき、3年)は、掛けられた声の方に目を向けた。「ナイスピッチング!」。同じマウンドで投げ合った京都成章の北村和也(3年)が笑いかけてきた。同じ言葉を返した後、水江はこう続けた。「オレの分も頑張れよ」――。旧友に“夢”を託し、背番号1の夏は終わった。

 野球を始めた「亀岡少年野球クラブ」のチームメート。3年間一緒にプレーし、チームが離れた中学時代には、ライバルとして何度も戦った。高校も含めた直接対決の戦績は、試合開始時点で「3勝2敗」(北村)。ただ、水江の意識は初戦突破だけに向けられていた。

 「北村に勝つというより、春の大会でも負けた京都成章に勝ちたい気持ちが強かった」

 毎年京大に50人前後を送り込む全国屈指の進学校。球速や変化球のキレはアベレージでも、それを補う投球術とクレバーさがあった。3回まで無失点。4回無死一、三塁に、中谷、水江、安田と3者連続三振で先制機を逸したのが、その裏の守備に微妙な影を落とした。2失策が絡み2失点…。それでも、水江は集中力を切らさず、最後まで投げ抜いた。被安打7、4失点は、ベストパフォーマンスといっていい。

 「(4回の打席は)スライダーを狙っていたけど…。とらえきれなかった」

 3年ぶりの夏1勝を逃しても、声のトーンは暗くない。もう、次の目標を見つけているからだ。「野球は続けます」。志望校は京大法学部。関西学生野球リーグの“エース”として、近い将来、わかさスタジアム京都に帰ってくる。

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