【熊本】急造捕手では…高森 青木の夏終わる 大会直前に大けが「自分がやっていたら…」

[ 2018年7月10日 06:28 ]

第100回全国高校野球選手権熊本大会1回戦   高森1―11人吉 ( 2018年7月9日    県営八代野球場 )

試合後、応援に感謝を述べる高森ナイン
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 高森の夏が終わった。全部員11人。その一人、青木龍捕手(3年)は松葉杖でベンチ入りし、最後まで必死に声を張り上げ、仲間を鼓舞し続けた。

 夏の大会の開幕を直後に控えた6月末の練習試合で悪夢は起こった。相手走者と交錯した青木捕手は、右ひざの骨折とじん帯を切る大けがを負った。ケガの瞬間は「終わったと思った」。痛みと絶望が襲い、搬送される救急車の中で「頑張ってきたのになんでこのタイミングで…」。今まで大きな故障の経験もなかった。

 即手術の診断だったが「最後の大会を見たいので日程をずらしてくれと言った」。痛みに耐えながら仲間とともに大会に臨むことを決めた。

 唯一無二の青木捕手を失い、チームも緊急事態に陥った。「古閑も米田も練習は一週間程度」という急造捕手を立てた。青木捕手も「教えられることは全部教えたい」と、学校から練習場までの約1キロを松葉杖で通い練習を見守った。

 ベンチから見つめた最後の試合。盗塁阻止や、ピンチでの投手への声かけのタイミングなど、捕手の経験がモノをいうプレーが失点につながるたび「自分がやっていたら…」。悔しさと歯がゆさと申し訳ない気持ちが涙であふれた。

 「高森で野球をしたからこそ成長できた。他校に行きたいと思ったことは一度もない」と少ない人数でともに戦った山中和彦監督やチームメートに感謝。「今回、たくさんの監督さんたちからも言葉をもらった。ありがたかった」と野球で努力を続けたからこそ感じられた温かさもかみしめた。

 「入部した時は3年生が3人、2年生ゼロ、そして1年生が4人。人数が少ない分、バッティングも守備も他のチームよりこなした自信はある」と振り返り、「悔いが残るしこれで終われないので、大学でも野球を続けます」。

 数日中には手術を受ける。ケガが癒えたら青木の新たな野球への道もスタートする。

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