【北大阪】成城 “大先輩”に吉報届けられずも悔いなし!勇気与えた全力プレー

[ 2018年7月10日 17:51 ]

第100回全国高校野球選手権記念北大阪大会1回戦   星翔6―2成城 ( 2018年7月10日    豊中ローズ球場 )

<星翔・成城>野茂英雄氏の母校・成城の双子選手、兄・木本敬太捕手(右)と弟・翔太内野手
Photo By スポニチ

 「トルネード投法」で日米を席巻した野茂英雄氏の母校である成城(前身は成城工)がまたも1回戦で散った。05年に成城と名前が変わってから、夏の大会はこれで13連敗。大先輩に吉報を届けることはできなかったが、13人の部員は最後まで一生懸命に声を出した。

 試合は1点差を追う2回に、金城、甲山の連続適時打で2点を奪い逆転。持ち前の全員野球で粘ったものの、5回以降に5点を奪われて逆転負け。それでも最後まで声を出して必死に追いすがった。星翔の福島祐介監督も「あの必死さは、我々が見習わなければいけないと思った」と称えたほど。チームを盛り上げたのは兄の木本敬太と弟の翔太の双子だった。

 兄の敬太は4番捕手。チームの要でもあり、9回先頭で四球を奪うとガッツポーズして喜んだ。「自分がどうにかして次につなげば、勢いがつくと思った」とチームを鼓舞した。部員は13人。1年生が入るまで9人しかいなかった。強豪校との力の差は痛感するが、川端淳監督は「人数は関係ない。見ている人たちに、どうしたら勇気を与えられるか。そのために一生懸命やろう、と話しています」という。そのモットー通り、チームはどんな劣勢でも声を出し続けた。

 最後は逆転負けとなったが、兄の敬太は「秋も春も、去年の夏もコールド負け。最後まであきらめずに戦えた。みんなで戦えたことは一生の宝物。悔いはないです」と語り、弟の翔太も「(兄は)捕手としてゲームを締めてくれたし、チームを引っ張ってくれて感謝している」とすがすがしい表情だった。

 春の大会まで双子でバッテリーを組んでいたが、最後の夏は実現しなかった。それでも弟の翔太は「1年の夏から受けてもらっていたので、最後は受けてもらいたい気持ちもあったけど、チームの勝利が優先なので」と、一塁手として投手への声かけなど精力的にマウンドへ足を運んだ。野茂英雄氏の母校であることは知っているが、「プレッシャーはないです」と兄の敬太は言う。自分たちの野球を全うした顔に後悔はなかった。

続きを表示

2018年7月10日のニュース