千葉公平 東京から吉本新喜劇転入でつかんだ逆転人生 今も忘れない実家玄関で号泣した大阪移住の朝

[ 2024年5月24日 13:00 ]

NGKで初の主催公演を開催する千葉公平
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 吉本新喜劇の千葉公平(48)が26日に大阪・なんばグランド花月で初の主催公演「千葉ちゃんと新喜劇ver.弐」を開催する。関東で長く芸人生活を続けたが成功までには至らず、4年前に吉本新喜劇入り。今では新喜劇になくてはならない存在にまで成長した。4月1日には座員の鮫島幸恵(34)と結婚するなど、まさに逆転人生を地でいく。一方、生まれ育った関東を離れる直前に実家で号泣するなど、大阪行きは人生を賭けた一大決心だった。

 新喜劇入りを考え始めたのは2019年だった。ギンナナというコンビを組んでいたが「相方がハワイが好きすぎて移住しちゃったんですよ」と苦笑い。その年の夏前には活動休止状態に入り「そのとき、ちょっと怖いことをやろうと思ったんです。それまで楽なことばかり選んでたので、初めてゆっくり考えて、大阪に行くというのを真剣に考え始めました」と振り返った。

 その背中を押してくれたのが野性爆弾のくっきー!だった。「盆栽が趣味で、それをくっきー!さんがおもしろがってくれて。なぜか、“大阪の古民家安いで。そこで盆栽して配信せえや”って言われたんです。どういうつもりで言ったのかわからないですが、これも縁と思って、大阪に移住したいと初めて伝えたのはくっきー!さんでした」

 すると「新喜劇か?おもろい。行け行け!」と大賛成。当時座長だった小籔千豊を紹介してくれたという。小籔には厳しめの「来るんやったら骨埋める気で来い」と言われ、腹をくくった。

 関東を離れる最後の1カ月は、久しぶりに両親と実家で過ごした。「なんか2人とも小さくなったなとか、このまま大阪に行ったら今以上に会えなくなるなとか、そんな思いもあって、1カ月間いろんな話をしました」

 出発当日、両親は出かける用事があったため、朝早くに別れを済ませた。しばらく家でゆっくりした後、いよいよ大きな荷物を持って家を出ようとしたが「足が動かなくなったんです。実家のドアのノブを持ったままドアを開けるのに40分もかかった。大阪行きへの恐怖心、東京でふがいなかった自分、両親と話したいろんなこと、さまざまなな思いや感情が一気に押し寄せて涙が止まらなくなったんです」

 ただ、ドアを開けてしまったら不思議とスッとした。ネガティブな感情を全部実家の玄関に置いてきたからか「大阪に来てからは怖いという感情もなくなりました。もちろん、舞台でウケなくて落ち込んだり、人間関係で悩むこともあったけど、あの40分間の苦しさに比べれば、全然問題なかった」

 東京時代もテレビのレギュラーを持つなど笑いのセンスには定評があった。新喜劇でもすぐに頭角を現し、昨年の「吉本新喜劇座員総選挙」で2位にランクインするなど、今では大阪のお笑いファンも一目置く存在だ。

 26日には念願のNGKでの主催公演。「まだ50枚ほどチケット残っているんです。新喜劇の何人かは手売りするパワーもすごくて。でも、ぼくはこっちに知り合いがいないので、買ってくださいと言うしかない」と笑った。このパワーが身についた時こそ、千葉は名実ともに、身も心も、大阪芸人となるのかもしれない。(江良 真)

 ◇千葉公平(ちば・こうへい)1975年(昭50)10月24日生まれ。千葉県柏市出身。96年、コンビ「ハローバイバイ」で芸人デビュー。金成公信として活動する。09年に解散し、翌年からコンビ「ギンナナ」で活動も、19年に解散。20年から心機一転、吉本新喜劇に加入する。先月1日に座員の鮫島幸恵と結婚。鮫島は妊娠しており、もうすぐパパになる予定。

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