勝地涼 亡き恩人の言葉に生放送で涙 「言葉が今でも残っていて…」 NHK「あさイチ」ゲスト出演中に…

[ 2023年4月14日 09:32 ]

俳優の勝地涼
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 俳優の勝地涼(36)が14日、NHK「あさイチ」(月~金曜前8・15)に生出演。舞台演出家の故・蜷川幸雄氏の言葉に涙する一幕があった。

 勝地は初舞台が17歳。蜷川さん演出の舞台だった。放送では、10年前に蜷川さんが勝地についてコメントしている映像が流れ「勝地君の演技にみんなびっくりしたのね。なんて新しいクールないい演技をするんだろうって。あいつは何者だってことになったわけです」「ちょっと硬いんだけど新しい演技だったんだよね。みんなして、あいつは才能あるよなあって言ってたの」と絶賛。

 当時、勝地は舞台では主演を務めるもののテレビでは脇役ばかり。なかなか実力が認められなかったことについて「彼より顔が整っている人はいっぱいいるかもしれないけど、演技が伴ってないと思うんですよ。勝地君のいいところをテレビがまだ全部引き出してない。今本当にいい演技でできるのは勝地君だと思う」と厳しい演出で知られる蜷川さんをして賛辞を惜しまず。「勝地は小さい時から仕事をしてるからね。大人の空気を読み過ぎて引っ込んじゃう。出りゃいいんだ、もっと。大したことない先輩いっぱいいるんだからさ、食ってやると思ってやりゃいいんだよね」とエールを送っていた。

 これを見た勝地は大粒の涙を流し、しばし絶句した後で「すみません…」と涙をぬぐった。「蜷川さんの言葉、お前は空気読み過ぎっていうのが今でも残っていて。それがあるので、引かずに。演技の仕事だけじゃなくて、バラエティーのお仕事をさせてもらった時も遠慮せずにガンガン行こうと思ったのは蜷川さんのおかげだったりするし…10年前に言われてたのか…」と感慨深げ。

 「その時に言われてるより、今の方が刺さるなあと。蜷川さんよく言ってたんです。今、(VTRの中では)すごくいい言い方してくれてましたけど、“お前、後輩ぶるの得意だよな”って。先輩がやってくれるからとか調子いい時だけ後輩ぶるのは…もうちょっとしっかりしろよと。図星だったんです。だんだん、しっかりしなきゃと。ヘラヘラとやり過ごすことはできるけど、なるべくそういう風にしないようにしなきゃなって思ったり」と背筋を伸ばされたことが何度もあったという。

 「蜷川さんは厳しいんですけど…僕が人生で出会った中で一番理不尽に怒ってる。よくわかんないことで怒られる。突然怒鳴るし。でも言われた役者がどう動くかも見ているし。みんな怖いって思うかもしれないけど、僕は面白くなってきちゃって。あんだけ人に対して熱を持って怒れる人って僕は笑けてきちゃうんです。うわーこの人めちゃくちゃ愛があるなって。全然平気っていうか」と語り、一方で、「唯一、この人理不尽だなって思ったのは、『武蔵』っていう舞台の稽古をやっていた時、稽古前に親子丼を食べてたんです。これから体動かすっていう時に、炭水化物もたんぱく質も取れて最高と思って食べてたんです。そしたら小次郎はそんなもん食わねえんだよ!って怒鳴られて」と苦笑。「さすがに理不尽だなって。逆に“小次郎は何食べてたんですか?握り飯?”って言ったら、ワーワー言ってどっか行っちゃいましたけど…まあそういうのを許してくれる人でしたよね」と懐かしんだ。

 2004年、17歳で初舞台を踏んだ際、「右も左も、舞台の立ち方もわからない状態だったけどそれでいいって言ってくれて。好き勝手動いたら、蜷川さんが最高だね!こういうことなんだよ、自由でいいんだよ!って言ってくれて。それで僕は舞台を自由に歩けるようになった気がして。僕は10代から仕事しちゃったので、演劇の勉強をした方がいいでしょうかって聞いた時に、“お前にはいらないね。とにかく白くいろと。そのまんまいればいい。才能を信じて、自然体でいればいいんだよ”と。その言葉は今も残っています。もうちょっと生きててほしかったですね」としみじみと語った。

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2023年4月14日のニュース