團十郎の「信長」 キムタク、岡田准一「刺激」に…襲名後初「團菊祭」で父や祖父にささげる

[ 2023年4月14日 05:00 ]

記者の質問に答える市川團十郎(撮影・久冨木 修)
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 歌舞伎俳優の十三代目市川團十郎白猿(45)が13日、都内で「團菊祭五月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、5月2~27日)の取材会に出席した。昼の部「若き日の信長」で織田信長を演じる。公開中の映画「レジェンド&バタフライ」の木村拓哉(50)やNHK大河ドラマ「どうする家康」の岡田准一(42)ら信長を演じている俳優の演技を見ているといい、「刺激を受けています」と力を込めた。

 「團菊祭」は毎年5月恒例の一大イベントで、市川團十郎と尾上菊五郎の名跡が歌舞伎座の同公演でそろい踏みするのは15年ぶり。「團十郎として参加するのは初めてなので、楽しみというか、どうなんだろう…」と期待と緊張が入り交じる複雑な心境を明かした。

 「若き日の信長」は1952年初演で、祖父の十一代目と父の十二代目が演じてきた成田屋ゆかりの演目。「祖父と父が演じた時にはまだちょっと早すぎた。今こそ理解される作品だと思う」と先進的な脚本を称えた。

 信長は名だたる俳優が演じてきた戦国武将。自身も17年の大河「おんな城主 直虎」や21年に主演したフジテレビ「桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長 覇王の誕生~」で演じた。会見では木村や岡田の他にも大河「麒麟がくる」の染谷将太(30)や同「太閤記」の高橋幸治(87)の名前を挙げつつ「それぞれが違う切り口なので、見ていて楽しい。皆さんが自分の信長を追いかけていて、これという正解もない。そこが信長の面白さ」と演者目線で役の魅力を語った。

 十二代目が13年に亡くなり、10年の節目となる團菊祭。「この作品の信長も若い時に父を亡くし周囲が豪華な法要を行う中、心の中でしのぶことを大事にしていた。私と父の関係が作品にもシンクロしてくる」と先代への思いも胸に、團十郎として初の信長に挑戦する覚悟をのぞかせた。

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