藤井王将 羽生九段に完勝 来月開幕王将戦“前哨戦”で弾みの128手 最後は鮮やかな寄せ展開

[ 2022年12月9日 04:56 ]

藤井聡太王将
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 将棋の第48期棋王戦は8日、東京都渋谷区の将棋会館で挑戦者決定敗者復活トーナメント決勝を行い、後手の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が羽生善治九段(52)を128手で下した。勝った藤井は佐藤天彦九段(34)相手の挑戦者決定2番勝負(第1局=19日)に出場する。

 自王の安全を読み切った藤井は最後の11手、ほぼほぼノータイムで羽生王を追い込んでいった。「互いに似たような王形で戦いが始まり、激しくなって常に際どいと思いながら指していました」と顧みながらも、最後は鮮やかな寄せを展開。相手にチャンスらしいチャンスを提供することなく、典型的な勝利パターンで年度内6冠の可能性を残した。

 棋王戦独特の挑戦者決定2番勝負は、勝者トーナメント覇者の佐藤が1勝を挙げた時点で渡辺明棋王(38)=名人との2冠=への挑戦権を得る。敗者復活トーナメント勝ち上がりの藤井は挑戦まで2連勝が必要だが「まずは第2局まで持ち込んで、決定戦を盛り上げるよう頑張ります」と控えめな決意を明かした。

 一方の羽生は敗退が決定し「駒がぶつかったあとにミスしたような気がする。久々にいいところまで勝ち上がったが、まだまだ力が足りないと感じました」と視線を落とした。これで藤井とは通算1勝7敗となったものの、借りを返す機会はすぐにある。戴冠通算100期が懸かる来年1月開幕の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負。ファンが心待ちにしている藤井とのタイトル戦初対峙(たいじ)が控えている。 (我満 晴朗)

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