八代英輝弁護士 1軒の苦情きっかけで公園廃止に「行政サービスを提供する側の立場から見ると」

[ 2022年12月9日 12:10 ]

八代英輝弁護士
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 弁護士の八代英輝氏(58)が9日、コメンテーターを務めるTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。長野市内の公園が「子供の声がうるさい」などの1軒の住民の苦情で来年3月に廃止が決まったことについて言及した。

 市公園緑地課によると、公園は04年に地元住民の要望で開設されたが、1人の住民から「子供の声がうるさい」と苦情が出た。市は遊具の位置を変更するなどしたが、住民の苦情は収まらず、昨年3月、公園に隣接する児童センターに、子供が静かに遊ぶ方法を考えるよう住民が求めた。児童センターはこれを受けて子供たちの公園利用を中止。草刈りなどの管理は、児童センターの職員や保護者が行っていたが、これもやめ、新たな管理の担い手は見つからなかった。地元区長会は今年1月に市に廃止を要望し、市はこの区長会からの廃止要望や、同遊園地は借地で借地料が発生していることなどの理由から廃止を決めたとしている。

 番組では、近隣住民への「悲しいなという思いでいっぱいです。決められた廃止をもう1回考え直していただいて、青木島の子供たちをすくすくと育てられるアイデアが出てくるといいと思う」、「子供たちが公園で自由にのびのび遊べるように荻原(市長には)最善の決断をしていただきたいと思う」というインタビューを放送。

 八代氏は「行政サービスを提供する側の立場から見ると、おそらく税金を受けてそれでサービスを提供するのが行政の務めなので、1軒でもそういった申し立てであったり苦情であったりが挙がった以上は対応しなければいけないというのが前提だと思う」と言い、「難しいと思うのは、これで行政が解決しなければならない窓口として当事者になってしまうと、公園なんてどんどんつぶれていってしまうと思うんですね。私がいた時、米国では同じような声が上がっている中、遊ばせたいと思う人の側と、うるさいと思う住民の方々が話し合う場を自治体側が設定して徹底的に話し合わせるという試みをずっと続けていたんですね。市が全部、責任を背負ってしまうのはちょっと無理があるという気がしますね」と自身の見解を述べた。

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2022年12月9日のニュース