新たな変異株“ケンタウロス”ことBA.2.75で「第8波」の可能性も…特別扱いは時期尚早 専門家見解

[ 2022年7月31日 23:20 ]

日本テレビ社屋
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 感染症学・感染制御学が専門で日本化学療法学会理事長を務める国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授が31日、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」(日曜後6・00)に出演。新たな変異株“ケンタウロス”こと「BA.2.75」について見解を述べた。

 オミクロン株の変異株「BA.5」による第7波。子供や学生にとって感染が急拡大する中で迎えた夏休み。31日は東京で3万1541人の新規感染者が報告された。松本主任教授によると「感染者数は相当な規模ではありますけども、やはりだいぶ人の行動も変わってはきているとは思いますので、このままどんどんどんどん同じペースで増えていくというよりは、これから感染の増え方も鈍ってきて、8月の前半くらいには何とかピークを越えてもらえればな、と思っております」と見通しを語った。第7波がいつまで続くかに関しては「今後の人の動きなども関わってくるので、中々予想は難しいと思います」と語るにとどめた。

 その中で、インドなどで急速に置き換えが進んでいると言われている新たな変異株「BA.2.75」が日本国内でも確認された。感染力が現在主流の「BA.5」の3倍強とも言われる通称“ケンタウロス”。BA.2系統の75番目の亜種という意味の「BA.2.75」だが、松本主任教授は「流れはBA.2だが、変異を見るとBA.5の変異もかなり見られる。2つ変異の部分が重なっているという特徴から“ケンタウロス”とニックネームで呼ばれている訳ですけど、極端にこのケンタウロスっていう名前がかなり世界に広がって、何かえらく注目されているかのように思いますけれども、今後本当にこれがどういうふうな勢いを増してくるかは分かりませんので、これだけを特別扱いするかどうかというのはまだ今後の状況を見る必要があると思います」と説明。世界での注目度はニックネームもあって高いが、今後に及ぼす影響などについては騒ぎ過ぎずに今後の状況を注視していくべきだとした。

 そして今後「BA.2.75」への置き換わりが進めば「次の波が起こる可能性はありますので、今後もう少し状況を見ながらですね、この2.75がどれだけ脅威なのかということは、もう少し様子を見た上での判断が必要かと思われます」と慎重な判断が必要だと訴えた。

 インドでのデータを見る限り重症化のリスクは極端には強くなっていないという「BA.2.75」。もし新たなこの変異株に置き換わった場合は、今起きている波が収まりづらくなる可能性とともに、いったん収まってからの新たな波「第8波」という形になる可能性もあるとした松本主任教授。しかし、あくまでも特別扱いはせず「もう少し様子を見る必要がある」と強調した。

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2022年7月31日のニュース