【前回の鎌倉殿の13人】第28話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「景時 孤高の名刀 涙の鎌倉斬り」

[ 2022年7月31日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第28話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「景時 孤高の名刀 涙の鎌倉斬り」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は7月31日、第29話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第28話(7月24日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第28話は「名刀の主」。北条時政(坂東彌十郎)と比企能員(佐藤二朗)との争いにより、訴訟の取次を行う宿老は、北条義時(小栗)と梶原景時(中村獅童)の“5人衆”構想から大きく逸脱。“13人衆”にまで膨れ上がった。2代鎌倉殿となって気負う源頼家(金子大地)は、これを自身の力を侮っている結果だと捉えて憤慨。北条時連(のちの時房、瀬戸康史)・頼時(のちの泰時、坂口健太郎)ら“若手6人衆”を側に置き、牽制する。そんな中、13人の宿老たちが集まり、常陸の御家人の土地争いについて評議を行う…という展開。

 景時は「66人の連判状」により罷免、謹慎となった。

 心配した義時が、相模に下向した景時を訪ねる。景時は「それがしの過ちは、己を過信したこと。鎌倉殿と御家人たち、どちらも意のままに操れると思い込み、どちらからも疎まれた」。しかし「捨てる神あれば拾う神あり」。義時が目にしたのは、後鳥羽上皇(尾上松也)からの上洛を促す文だった。

 景時「鎌倉にいても先は見えた」

 義時「いてもらわれば困ります」

 景時「それがしはもはや」

 義時「行ってはなりませぬ!」

 義時の慰留に、景時が涙ぐんだ。

 景時が後鳥羽上皇から誘われたことを知った頼家は、景時を詮議。「忠臣は二君に仕えず。おまえは自分が忠臣でないことを認めたわけだ」。奥州外ヶ浜への流罪を言い渡した。

 正治2年(1200年)正月。景時は竹を斬り、心を決めた。

 景時は、頼家と側室・せつ(山谷花純)の息子・一幡を京に着くまでの人質に取った。義時と頼時は比企館に急行した。

 景時が後鳥羽上皇から誘われたことを頼家に流したのは義時だった。

 義時「(景時が京に)行けば、鎌倉殿は決してあなたを許さない。必ず討ち取ろうとされる。それは、朝廷との争いの火種となる。鎌倉を守るのが、私の役目」

 景時「ひけらかすものではないな」

 義時「誰にも見せず、破り捨てるべきでした」

 景時「刀は、斬り手によって、名刀にもなまくらにもなる。なまくらで終わりたくはなかった」

 息子・梶原景季(柾木玲弥)が一幡をせつの元へ。

 景時「これより、流罪先の外ヶ浜へ参る。小四郎殿、そなたは上総広常の前で、こう申した。我らは坂東武者のために立ち上がったのだと。源氏は飾りに過ぎぬと。忘れてはおらぬな」

 義時「(頷く)」

 景時「己の道を突き進め。置き土産じゃ。これへ。(善児を)おぬしに譲る。(景季に)参ろう」

 景時は笑みを浮かべ、一行と比企館を後にした。義時は頼時に「すぐに兵を整えよ。梶原殿は必ず西に向かわれる。東海道で討ち取る。分からぬのか。梶原殿は華々しく戦で死ぬおつもり。武士らしくな。急げ」。夜、気付けば雪が舞っていた。

 今回の“大河絵”は景時を必死に引き留める義時、めったに喜怒哀楽を表に出さない景時の涙と“名刀”のプライド、出家し鎌倉を去った13人衆の1人・中原親能(川島潤哉)を1枚にまとめ上げた。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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