竹内涼真「戦いですよ」大御所・香川照之に挑む 激しい“土下座合戦”の行方は…

[ 2022年7月31日 07:50 ]

ほほえむ竹内涼真(撮影・久冨木 修)    
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 俳優の竹内涼真(29)はヒーローの素質を持っている。現在、大人気韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」のリメークで、テレビ朝日で放送中の「六本木クラス」(木曜後9・00)に主演中。好演が光る中、注目を集めるのは共演する香川照之(56)との“土下座合戦”。悪に挑む姿勢には、サッカー少年時代に見つけた考え方のヒントが、大きな意味を持っていた。

 力強いまなざしが印象的だった。

 「言ってしまえば、戦いですよ」

 竹内が闘志を燃やすのは、敵役の香川との掛け合いについてだ。個性豊かな深みのある演技力で、第一線を駆け抜ける大御所との対峙(たいじ)。憧れと畏敬の念を抱きながら、竹内は戦場に立っている。「撮影でアイデアを出し合い、相手が求めるものに応える。役者として楽しいですが、気が抜けません」と笑った。

 2020年に社会現象を巻き起こした「梨泰院…」をリメークした本作。絶望の淵に沈む青年、宮部新(竹内)が復讐(ふくしゅう)を誓い、金と権力を振りかざす大手外食チェーン「長屋ホールディングス」会長の長屋茂(香川)に立ち向かう姿を描く。役作りとして、髪形を一新したことも話題になった。「一から作り直して、命懸け。熱意は絶対に伝わってほしいです」と力を込めた。

 作中での新の目的は「長屋と息子に土下座をさせて罪を償わせること」。長屋を演じる香川の土下座といえば、TBS日曜劇場「半沢直樹」で見せた衝撃の“敗北”シーンが記憶に新しい。竹内も視聴したといい「斬新で日本人らしい、気持ちの良い負け方でしたね」と振り返った。「六本木…」でも重要なキーワード。「新にとって土下座は一つの価値。長屋もやりたくないこと。お互いに勝負を仕掛け合う過程を楽しみたい」。つわものの風格が漂っていた。

 これまでも戦いの日々だった。4歳からサッカーを始め、高校時代は東京Vユースに所属。しかしその後「僕はサッカーの道ではない」と決断。20歳で演技の道を選んだ。元々マーベル作品や映画、ドラマが好きだったこともあり、大学2年の時に知人の勧めで男性専属モデルオーディション「minaカレグランプリ」に応募。グランプリを獲得し芸能界入りした。

 次なる目標を定めた時、プロサッカー選手として活躍する友人たちの生きざまが励みになった。「僕は元々ネガティブ。一方で成功した彼らは、苦手やきついことに飛び込む勇気がある。役者の世界を志したからには、その考え方を見習おうと思いました」。今の竹内の原点だ。

 14年に「仮面ライダードライブ」主演の座を射止め、子供たちの正義の味方に。今回の「六本木…」も巨悪と相対するさまに、記者は「まるでヒーロー」と感じた。自らの弱さを見つめながら困難に挑む姿は、竹内自身とも重なる印象を持つ。しかし竹内は「ヒーローは自分のことを“ヒーロー”とは思いませんよ」とほほ笑む。

 それでも、主人公としての誇りは忘れない。「人間誰しも負けたくないし、くじけたくない。僕らは物語の中で悪と戦えて、その姿が見ている人の心に刺さればいいな」

 竹内の武器は、信念と気合に満ちあふれた役者魂。香川との激しい攻防戦の果てに“土下座”はさく裂するのか。物語は始まったばかりだ。(小田切 葉月)

 《今でも“サッカー愛”日本代表の注目は田中碧》今もサッカー日本代表戦のチェックは「当然」欠かさず、11月21日開幕のW杯カタール大会を心待ちにしている竹内。注目選手はMF田中碧(23)で、「気が付いたら日本代表のレジスタ(司令塔)になっていて、かじを取っている。本当に凄いですよね」と満面の笑みで魅力を語った。

 ◇竹内 涼真(たけうち・りょうま)1993年(平5)4月26日生まれ、東京都出身の29歳。13年に芸能活動を開始し、17年にNHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出演。同年、セカンド写真集「1mm」で男性写真集売り上げ1位を記録した。18年には「センセイ君主」でラブコメ映画、20年にはTBS「テセウスの船」で日曜劇場にそれぞれ初主演。1メートル85、血液型A。

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2022年7月31日のニュース