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藤井王将 A級初戦の佐藤九段戦に地元名古屋で勝利 ひふみん以来2人目の10代A級勝利

[ 2022年6月23日 01:20 ]

佐藤康光九段に勝利した終局後、報道陣の質問に答える藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
Photo By 提供写真

 藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が22日、開場した名古屋将棋対局場で、第81期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の1回戦・佐藤康光九段戦に臨み、101手で勝利した。終局は23日午前0時2分。持ち時間6時間のうち、消費時間は藤井が5時間53分、佐藤は5時間59分。

 10人が総当たりで名人挑戦権を争うA級に藤井が参戦するのは16年10月のデビュー以来初めて。加藤一二三・九段(82)の18歳8カ月に次いで10代では史上2人目、19歳11カ月でA級勝利を飾った。藤井のデビュー戦の相手でもある加藤は史上初の中学生棋士になり58年、A級昇級。3回戦の花村元司八段戦で初勝利を挙げていた。

 藤井の先手で始まり、戦型は後手佐藤の向かい飛車。藤井がトーチカ、佐藤が穴熊に構え、夜8時以降激しい戦いへ突入した。金銀4枚の堅陣を生かし、藤井が有利に進めたが途中、自王の横っ腹を射貫く佐藤の香捨てが読みになかったという。

 「見落としで、はっきり失敗した。自信がなくなってしまいました」。それでもひるまず攻めをつなげ、最後は佐藤の猛攻を受けきって勝利した。

 午前10時からの対局前に開場セレモニーが行われた、名古屋将棋対局場のこけら落としにふさわしい熱戦。JR名古屋駅前のミッドランドスクエア25階にある対局場はトヨタ自動車から無償提供を受けた。

 「初めてではあったが、すごく快適に対局することができた」。東京、大阪に次いで地元にできた常設対局場。藤井の師匠の師匠、88年に47歳で亡くなった板谷進九段が夢見た「東海にタイトルを、将棋会館を」への接近を意味した。一昨年の棋聖位で大師匠の最初の夢を叶えた藤井は「東海地方の将棋界の盛り上がりにつながれば」とも語り、道場なども併設する会館建設への第一歩になればとの思いを共有した。

 藤井が今期挑戦権を獲得し、渡辺明名人(38)から来春7番勝負で名人位を奪えば、谷川浩司十七世名人(60)が持つ最年少名人21歳2カ月を更新する、最初で最後の挑戦が開幕した。

 「2局目以降も大変な将棋になる。しっかりコンディションを整えられれば」。その意味でも大きな、愛知県瀬戸市在住の藤井にとってのホームグランド勝利。順位戦計9局中、名古屋では6局を予定する。そしてはっきり口にした、「挑戦を目指せれば」。来年3月までの残り8局に、また注目が集まる。

《A級10人中、最年長52歳の佐藤「もう少し粘れれば」》
 ○…佐藤は終局後「もう少し粘って指せれば良かった」と悔しさをにじませた。A級10人中、最年長の52歳は対局前の開場セレモニーでは日本将棋連盟会長としてあいさつし、「会場を貸してもらえるのは励み。よい棋譜を残していけたら」と語っていた。会長にしてA級。19年7月の初対戦、本社主催・大阪王将杯王将戦2次予選で141手で敗れて以来の雪辱で「一人二役」を完遂したかったが果たせず。「良さそうだと思った局面はなかった」とのコメントに、羽生世代の生き残りとしてのプライドをにじませた。

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