辛坊治郎氏 知床観光船の社長会見で違和感…天候悪化との関連性追求の声に「そこじゃない」

[ 2022年4月28日 16:59 ]

辛坊治郎氏
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 キャスター辛坊治郎氏(66)が28日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月~木曜後3・30)に生出演し、北海道・知床半島沖で起きた観光船の遭難事故で、27日に運航会社社長が行った記者会見について私見を語った。

 子供2人を含む乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が24日、消息を絶ち、これまでに11人が死亡、15人が行方不明になっている。斜里町で会見した知床遊覧船の桂田精一社長は、3度の土下座などで謝罪した。辛坊氏は「一言でいうと、昨日の記者会見に関して言うと、むちゃくちゃだわという感じです」と吐き捨てた。

 会見では、午後からの天候悪化を見誤った桂田社長の責任を追及する声が上がったが、海難事故を経験している辛坊氏は「私が感じる最大の違和感は、みんなが追及しているのか、なぜ天候が悪くなると分かっていたのに出たんですか?という、ここだよね」と別の見方を示した。

 現時点で、天候の悪化と事故の因果関係は分かっていないが、会見ではその点に質問が集中した。辛坊氏は「天候が悪化するのに出て行ったことだけに焦点が集まっていて、『天候が悪化していなければ大丈夫だったんだ』というニュアンス。『なぜ出たんですか?』と、そこばっかり焦点が集まっているんだけど、そこじゃないんだって」と、語気を強めた。

 現場の水温は当時2~4度程度だったとみられている。辛坊氏は「どれだけ天候が穏やかでも、船が沈んでいたら今回の亡くなった方、行方不明の方が助かっていたかというと、猶予の時間は最大でも数十分なんです」と解説した。船が積んでいた救命胴衣や救命浮器についても、「意識があれば(浮器に)捕まっていられますけど、水温5度の海だったら手を離しちゃう。救命胴衣も、波にもまれれば簡単に脱げる」と説明した。

 辛坊氏は事故当時の通信状況にも「ありえない」を連発した。会見で桂田社長は、衛星携帯電話については「実際には修理に出していて積んでいなかった」と説明。本部の無線アンテナも故障しており、安全管理の問題が指摘されている。辛坊氏は、海の怖さを説いた上で、「その海に出て行くことに際して、本部のところに電波の受けの設備がないとか、衛星携帯電話が使えないとか、ありえないよ、これは」と憤りを口にした。

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2022年4月28日のニュース