藤井叡王 初めて後輩との防衛戦「新鮮」、出口六段と叡王戦5番勝負28日開幕

[ 2022年4月28日 05:31 ]

神田明神内での藤井叡王(中央)と出口六段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の第7期叡王戦5番勝負は28日、東京・神田明神での第1局で開幕する。前日の27日はタイトルホルダーの藤井聡太叡王(19)=王将、竜王、王位、棋聖含む5冠=と挑戦者の出口若武六段(27)が会場検分を行い、その後個別に会見した。

 ディフェンディングチャンピオンの藤井はいつもながら堂々とした空気を身にまとっていた。3月9日以来、中49日で臨む公式戦。開口一番「しばらく対局が空き、明日(28日)の第1局が今年度初対局。久々で緊張感はありますが、いいスタートを切りたい」と心境を口にした。

 コロナ第1波の20年春には52日間対局がなかった経験を持つ。通常ならブランクが気になるところだが、この間にじっくりと研究を重ね、対局再開後は瞬く間に2冠を手中にした。今回はその期間に次ぐ空白を味わったものの「今までと同じように(研究に)取り組んでいました。(ブランク明けは)やってみないと分からないところがありますが、普段以上に楽しむ気持ちも持っています」と心理面での余裕をうかがわせた。

 対戦相手の出口六段については「ここまでいい内容で勝ち上がってこられ、勢いがあり、手ごわい挑戦者」と印象を話す。四段昇段が2年半遅い出口はプロとして「後輩」。タイトル戦では初のケースとなるが「今までと違い新鮮な気持ちになる。自分として気持ちを新たに臨みたい」とも明かした。

 対する出口はタイトル戦初登場らしく、初々しさに満ちあふれていた。会見開始時は所定の席ではなく司会者用のマイクスタンドに向かいかけて場内に柔らかな笑いを誘い、質問に対しては「ボーッとしていて分かりませんでした」と返す場面も。「慣れていないところはありますが、とりあえず盤面に集中し、白熱した将棋を指したい。(藤井叡王に)必死に付いていく、食らいついていくという展開にしたいです」と挑戦者魂を誇示した。28日は27回目の誕生日。「叡王戦には縁があると思います」とも付け加えた。

 第1局の開局は午前9時。持ち時間はチェスクロック方式での各4時間で、先後は振り駒で決まる。

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2022年4月28日のニュース