水難学会会長・斎藤秀俊氏 事故発生当初の状況に言及「緊急通信が誰にも伝わってなかった可能性が…」

[ 2022年4月28日 19:35 ]

知床半島の沖合で事故を起こした観光船「KAZU1」の運行事業者「知床遊覧船」が保有する別の船
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 水難学会会長で長岡技術科学大学大学院教授の斎藤秀俊氏が28日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に生出演。北海道・知床半島沖で子供2人を含む乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が遭難した事故について語った。

 斎藤氏は運航会社の無線が利用できない状態だったことに注目。事故発生当初の状況について、「船の方からは電波が出ていたはずなんですね。でも、その電波を会社では受信できなかった。ここは凄く気になってまして、もしかしたら、もうちょっと前から緊急通信をやろうと思っていたとすると、船長からの緊急メッセージが誰にも伝わってなかった可能性がある」と予想する。さらに「1時になってやっと伝わったということも…。これは推測ですけど、非常に大変な状況があったかもしれない」と指摘。SOSが伝わらなかったことで被害が拡大した可能性を示唆した。

 その上で海難事故に対する備えについて力説。「個人の能力って限界がありますから、いろんな人がサポートすることが、海難事故を未然に防ぐことなんです。そういう意味で今回、通信手段が断たれたことは大きい。相談する相手もいない。そういう状況で、厳しい運航だったと言わざるを得ない」と伝えた。

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2022年4月28日のニュース