プーチン大統領が核を使う可能性は? 専門家が挙げる条件「心理的な打撃与えるために使うか」

[ 2022年4月28日 20:54 ]

ロシアのプーチン大統領(AP)
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 国際安全保障などに詳しい防衛研究所・防衛政策研究室長の高橋杉雄氏が28日、フジテレビ系「Live News イット!」(月~金曜後3・45)に生出演し、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を示唆したことについて解説した。

 プーチン大統領は27日の演説で、「他の国が進行中の作戦に干渉するなら電撃的な対抗措置を取る。ロシアは他国にない兵器を保有している。必要であれば使う」と述べた。直接的な言葉こそ使わなかったが、「ロシアへの直接攻撃は敗北と壊滅的な結果をもたらす」としていた2カ月前の演説の発言から、踏み込んだ内容だった。

 発言の意図について、高橋氏は「一つは、欧米の武器援助に対するいら立ち。やめさせたいということで言及した」と推測した。

 さらに、保有国同士が牽制し合いながらも核を使用しない「核抑止」の考えについても言及。「アメリカの抑止の考え方としてですけど、『計算されたあいまい性』というのがあって、どういう条件が整ったら核兵器を使うというのをあえて言わない。あえて言わないことで、相手側の行動をより自制させるという考え方はある。おそらくロシアも同じ考え方を取っているのかな」と述べた。

 戦闘の長期化は西側諸国によるウクライナへの武器供与が理由とロシア側はみているようで、高橋氏は「アメリカに先走って心配させて、ウクライナ支援のレベルを抑えさせようと、そういう意図を感じますね。アメリカが怖いので、はっきり言わずに抑えようとしている」と分析した。

 実際に核兵器が使用される可能性については、「核兵器の使用はプーチン大統領とかバイデン大統領とか、最高指導者が決めることなんですよ。ある状況になった時に最高指導者の能力とか人格とか、責任感とか人間性とか、すべてが反映された形で非常に主観的な判断として核兵器の使用が決められるので、外から言うのは難しい」と率直に話した。

 その上で、プーチン大統領が核兵器使用に踏み切る状況に言及。「一つは今の(ウクライナ東部)ドンバスの戦いで負けそうな時。負けてウクライナが反撃し出した時、または勝っても戦局に決定的な変化がなくて、ウクライナ政府に非常に大きな心理的な打撃を与えるために使うか。そういうような状況で、核兵器の使用を考え始める」と推測した。

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2022年4月28日のニュース