球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

インディアンス 新球団お披露目目前で「商標問題」

[ 2021年11月7日 05:30 ]

 ブレーブスの26年ぶりワールドシリーズ(WS)制覇の数日後。複数の有力紙が「喜びは分かるが、応援スタイルを考えてほしかった」とのコラムを掲載した。

 ブ軍は「チーム名と手斧(ておの)を振る応援(トマホーク・チョップ)が差別的」と全米の先住民団体から是正要求を受け、長年話し合いを続ける。先住民支援の多数メディアのキャンペーンは空振りで「インディアンスは今月、来季からの球団名ガーディアンズを正式発表なのに…」と嘆き節だ。

 ところが改革のお手本のインディアンスにとんでもない事態が発生した。イ軍の本拠地クリーブランド市で14年からガーディアンズを名乗るローラーダービー(ローラースケート)のチームが「イ軍の改名は我々の商標権を侵すと連邦裁判所に訴えた」とAP通信。イ軍は「改称に伴う商標問題は徹底的に調べてクリア」と言うが「イ軍は名前を買い取ると金額を示したが話にならない額だった」と訴状。小さな走路で相手を突き飛ばし、倒れたものを跳び越えて争うローラーダービー。プロとして成り立つとは思えないが「記念品を売るために17年にオハイオ州庁にガーディアンズの名で登録」。この法的保証が愛好団体を大リーグ球団と“対等”にした。

 訴状によるとイ軍は「格好悪いこと」をした。税金回避地と実体のないペーパー会社設立地で名高い東アフリカの島国モーリシャスで「ガーディアンズの名を商標出願。さらに新しいロゴマークも商標出願をした」という。違法行為かどうか見当もつかないが、みっともない印象だ。

 新チーム名のお披露目の日は目前、法廷はどう裁くのか。「裁判は開かれない。商標問題は法廷でなく金銭で解決が常識」と商標専門弁護士。イ軍はローラーダービー団体にいくら払うだろうか。(野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る