球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ロボット審判導入は“野球ギャンブル”のため!?

[ 2022年10月9日 05:30 ]

 ポストシーズンが始まった。出場のア、ナ両リーグ各6球団は承知しているが、戦いのフォーマットはよく分からない。30球団のうち12球団が出場は多すぎる気がするが、単品で試合を楽しむにはそれなりに面白い。ワールドシリーズを見据えて見るのはリーグ優勝決定戦が始まってからだ。かつては「我々大リーグはプロスポーツ界の老舗競技(グランド・オールドゲーム)。むやみにポストシーズン試合を増やすとワールドシリーズの価値を落とす」と「量より質」を強調した。

 だが、大リーグを取り巻く風景はすっかり変わった。「球団本拠地にどうか」という地方都市や「新球団をつくって大リーグに加盟したい」という地方の資産家グループが直接大リーグ機構に声をかけてくる。18年に連邦最高裁が認めたスポーツ賭博合法化により、大リーグを対象にしたギャンブル基地のための「町おこし」というのだ。

 日本の野球メディアではほとんど扱わないが、大リーグの試合を対象にしたギャンブル予想は全米のネット上にあふれている。スポーツ・イラストレーテッド誌が時々掲載する予想記事を見て、これが日常になるのは時間の問題と思った。大リーグ機構内で、試合への賭けでギャンブル業界から何らかの収入を得られないか研究を続けている部署がある、とはゴシップ情報だが…。ロブ・マンフレッド・コミッショナーは、2球団増設案を口にする。そもそも3年後に控えるロボット審判導入は野球ギャンブルの、正確さを保証するためのものではないか?という“怖い話”がある。本当に思えるところが、怖い。(野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る