球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

異例の復帰ホワイトソックス・ラルーサ新監督の手腕は?

[ 2021年3月28日 05:30 ]

 コロナ禍が続く中、4月1日(日本時間2日)に大リーグが開幕する。メディアの開幕企画「今季の監督運命予想」で注目を集めるのが、ホワイトソックスのトニー・ラルーサ新監督(76)だ。カージナルスで2度目(自身通算3度目)のワールドシリーズを制し引退して10年、殿堂入りの野球人の現場復帰は史上初だ。10年もブランクのある老人が最新のデータ野球の中で戦えるのか?孫世代の選手とのコミュニケーションは?…メディア、ファンは危ぶみ、ホ軍フロント陣も茫然(ぼうぜん)自失。監督指名はオーナー、ジェリー・ラインズドルフ氏(85)の鶴の一声だった。

 79年、オーナーは、オフの間5年間大学に通い弁護士資格を取った平凡な内野手に注目し監督に抜てきした。34歳のラルーサ監督だ。ホ軍では86年途中で解任されたが、すぐアスレチックスに転じ、さらにカージナルスに。3球団通算33年の監督成績2728勝は球史3位。「私の最大の失敗がラルーサの解任」と言い続けていたオーナーには、35年ぶりの帰還は「長年の夢の実現」だった。今年2月、ラルーサ監督の2度目の飲酒運転事件が判明し周囲が騒がしくなったときオーナーが「3ストライクで終わり」と宣言し素早く処理し、その執心ぶりがのぞいた。「オーナーと監督、新婚気分」と冷やかしコラムもあった。

 ラルーサ監督自身は「ブランクはない。ベンチからは出たが、大リーグ機構、ダイヤモンドバックス、レッドソックス、ドジャースの顧問を務め、チームとともに行動し、報告書を書いていた」からだ。報復死球が有名で、自軍選手への故意とみられる死球には必ず報復する。規則は「首から上にはぶつけるな」。ぶつけた投手はノートに書いておき、必ず仕留める。怖い名将は健在だろうか。(野次馬)

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