球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

インディアンス 22年からの新球団名「ガーディアンズ」警備会社とは言わせない

[ 2021年8月8日 05:30 ]

 クリーブランド・インディアンスは来季からチーム名を「ガーディアンズ」に変更する。インディアンは先住民族への“差別語”。昨年、球団は「22年から新球団名で戦う」と宣言していた。

 100年続いた伝統の名称からの生まれ変わり。ネット上に俳優トム・ハンクスのナレーションによるPRビデオが登場した。オハイオ州北部のクリーブランドのカヤホガ川が五大湖に流れ込む水路と鉄路が交わる人口40万人の工業都市の空撮だ。

 川に架かる橋の柱に水陸交通安全の守護神(ガーディアン)像があり、新チーム名はここからとられた。産業の変革で世界の重工業都市が不況だが、クリーブランドも例外ではない。治安もいいとはいえない。PRビデオにファンの反応はさまざまだ。

 「ガーディアンは治安保全当局や警察を連想させる。対立関係をあおらないか…」「インディアンが差別語とは思わないが、変更は時代の流れで仕方ない。でもガーディアン(保安要員)では保険会社のソフトボールのチーム名だ」「大リーグ球団の名ではない。警備会社に最適だ」「チーム名の字体や赤色はインディアンスと同じ。名前もインディアンス=IndiansのInを外し、ガーディアンズ=GuardiansのGuarに入れ替えただけ。手抜きではないか」などなど。

 100年親しんだチーム名だ。ファンの言い分も分からなくはないが、球団は昨年12月から地元および国の先住民組織と話し合いを続けた。全ての団体がチーム名変更決断を支持し、称賛してくれたという。大統領現職時代から球界と折り合いが悪かったドナルド・トランプ氏が「少数の過激派が文化と遺産を破壊した」と吠えたが耳を貸す人はいない。来季ガーディアンズがプレーオフに進出すればファンも改名に納得するはずだ。(野次馬)

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