球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

エンゼルス・キャロウェー投手コーチのセクハラ問題 イ軍とMLBは把握していた?

[ 2021年3月7日 05:30 ]

 エンゼルスのミッキー・キャロウェー投手コーチのセクハラ行為を5人の報道関係の女性たちが米スポーツサイト「ジ・アスレチック」に告発した。

 最初の報道が2月1日。エ軍は翌日、同コーチの職務を停止した。この種の事件は球団が容疑者を調べ、容疑を認めた時点で解任だ。ところが、この件は大リーグ機構(MLB)が乗り出した。調査は5年間のインディアンスでのコーチ、メッツでの2年間の監督、そしてエンゼルスの1年間のコーチ、計8年の年月に及ぶ。当人が「全ての行為は相手の合意の上」と開き直りのメールで「ジ・アスレチック」に答えたのも調査の難航を予感させた。

 今、事件は新展開だ。「ジ・アスレチック」は「イ軍とMLBは早い時期から事実を把握したが、それを秘密にしていた」と報じる。17年にある男性からイ軍ファンサービス部に繰り返し「キャロウェーが妻にいかがわしいポルノ物品を送ってくる。ストップさせろ」と、苦情の電話。イ軍球団社長、GM、テリー・フランコナ監督の3人が、この電話の録音を聞き、激怒した。

 男性の話は球団からMLBの保安部にも伝えられ、男性は全てをMLBにメールで伝えた。最初の報道後、「初めて聞いた。驚き、混乱し、悲しくなった」と口々に話したイ軍球団社長、GM、フランコナ監督は気まずいだろうが、MLBの処分は早く出した方が良さそうだ。イ軍から引き抜く形でキャロウェー氏を監督にしたメッツは「我々の面接が甘かった」と一言。

 「ジ・アスレチック」は16年に創業し、17年のアストロズのサイン盗み事件をはじめ事件当事者の駆け込み寺になり特ダネの連発だ。古典派の印刷メディアの一員は、時代を感じるばかり。(野次馬)

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