球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

暴行疑惑…ドジャースのバウアー獲得は大失敗

[ 2021年8月29日 05:30 ]

ドジャースのバウアー(AP)
Photo By AP

 ワールドシリーズ連覇のため、ドジャースは2月に昨年のサイ・ヤング賞投手でレッズからFAのトレバー・バウアー投手(30)と3年1億2000万ドル(約132億円)の契約を結んだ。

 ところが、ド軍と大リーグ機構(MLB)は“勝利の保証”と思えたエースを7月2日に有給の制限選手とし、ベンチから外した。ロサンゼルスの27歳の女性がバウアーの性的暴行を告発。上級裁判所に「バウアーが自分に近づかないよう拘束命令を出してほしい」と提訴した。ド軍のバウアー獲得は大失敗となった。裁判所は女性の提訴を棄却したが、警察が犯罪捜査として動きだした。

 球場内やロス市内のド軍ショップからバウアー関連のグッズが全て消える中、とんでもないスキャンダルが明らかになった。インディアンス、レッズ(ともにオハイオ州)に在籍中のバウアーが同様の騒動を起こしていたのを、警察署、裁判所の資料を入手したワシントン・ポスト紙が報じた。スポーツ・イラストレーテッド誌は記事冒頭に「編集者から」として、「以下の記事には家庭内暴力や性的暴行の描写が含まれています」と、“18歳未満お断り”のような警告…。おぞましい内容が想像できるだろう。

 ニューヨーク・タイムズ紙は嘆いた。「ド軍は野球以上の存在ではないか。ジャッキー・ロビンソンと共に黒人差別撤廃の先頭に立った、米国の文化と進歩の柱だ。それが勝つために、“オレの特技は投球と他人を怒らすこと”と公言するエゴの塊の投手を買った。悲しいことだ」。ところで、先週のコラム。MLBが予定するルール改正で「バッテリー間の距離短縮」と書きましたが「延長」です。訂正します。(野次馬)

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