球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

カージナルス命のプホルスが「戦力として」帰って来た

[ 2022年4月17日 05:30 ]

 アルバート・プホルス内野手(42)が11年ぶりに古巣カージナルスにカムバックした。3月末のキャンプ、練習を終え数人の若手がクラブハウスに引き揚げた。入れ違いにプホルスとやはり今季限りで引退するヤディエル・モリーナ捕手(39)が打撃練習。私服になった若手はそれを見て、急いで練習ジャージーに着替えた。

 「さすがにプホルスは何かを持っているね」。1年生監督オリバー・マーモルはうなずいた。そんな「プホルス効果」を認めながらニューヨーク・タイムズ紙はプホルスのカ軍での11年、エンゼルスでの10年(10年目は途中からドジャース)を振り返る。

 500本塁打、600本塁打、3000安打、記念碑的達成は全てエ軍時代だが、カ軍での最悪の成績はエ軍での最良の成績より良かった。カ軍のプホルス評価は冷静だ。カムバック契約に踏み切った理由はナ・リーグの指名打者制採用。昨季プホルスは左投手に・603の長打率。大選手の最後を古巣で…商売上の思惑より「戦力」としての判断だ。

 プホルスはカ軍が命で本人も、「エ軍やド軍でプレーしたときもカ軍のオフの行事や慈善活動に参加した」と言う。実はカ軍には独自の球団文化がある。大リーグの中でも人種差別が激しかった球団を1953年に野球に無知の大ビール会社の経営者が買収し一変させた。オーガスト・ブッシュ氏(故人、殿堂入り)。ブッシュ氏はチームに黒人が一人もいないのに激怒した。「私は黒人にもビールを売っている!」。黒人、白人で宿舎が別と知ると、プール付きの豪華ホテルを建て、子供を含む選手全家族を泊まらせた。家族付き合いが生まれ、それがカ軍の文化となった。

 カ軍褒めすぎは、1958年13歳で日米野球のカ軍の赤い鳥のロゴマークを見てファンになったためだが、いい話ですね。(野次馬)

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