球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

コロナ対策“合格”ヤンキースのクラスターに驚き 全員がワクチン接種済み

[ 2021年5月16日 05:30 ]

 米疾病対策センター(CDC)が「ワクチン予防が済んだ人はマスクを外してよい」と発表した。有力メディアは解説記事で「大丈夫か?」と慎重な見方を示した。

 球界も同様だ。例えばヤンキース。一度緩めた“マスク外し”を撤回した。理由はCDCの「ノー・マスク宣言」前日の13日、オールスター遊撃手グレイバー・トーレスが定期のウイルス検査で陽性反応、さらに3人のコーチ、4人の球団スタッフも陽性のクラスターが発生。ヤ軍が驚いたのは、全員がワクチン接種済みだったことだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙はCDCの公式ウェブサイトを引用した。「完全に予防接種を受けた人がウイルスに感染した場合、防疫の壁突破(ブレークスルー)が一部で起こる」。4月26日時点で予防接種を受けた9500万人以上の人々のうち9245人のブレークスルー感染症がいたそうだ。

 選手会と大リーグ機構(MLB)は合同で「コロナ対策規定」をつくった。事細かな厳しい行動規制だが、試合に関わるユニホーム組、フロント陣90人うち85%がワクチン接種を済ませると、行動規則が緩和される。開幕から50日が迫るというのに“合格球団”は10球団に届くかどうか…。

 ヤ軍は数少ない合格組だ。アーロン・ブーン監督は「我がチームはほぼ全員が接種を終えていたはず。また行動規制生活に戻るが、緊張感をもって日々を送る」。

 ブライアン・キャッシュマンGMは3月のキャンプからのチームの活動を時系列で細かく説明し「ワクチン接種はもちろんだが、陽性者8人のうち6人が症状が現れない無症候性。ウイルスも変異株。検査回数の多さでつかまえた」。ウイルスの様相は日々新た、綱渡りの戦いが続く。(野次馬)

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