【“復興球宴”振り返る】楽天スタジアムDJ・古田優児 マーの姿にアナウンスしながら涙

[ 2021年7月18日 05:30 ]

マイナビオールスターゲーム2021第2戦   全パ4-3全セ ( 2021年7月17日    楽天生命 )

スタジアムDJとして活躍していた頃の古田(楽天提供)
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 あの日、東日本大震災で被害を受けた人々を、どれだけ勇気づけ、癒やすことができたかは分からない。ただ、選手、スタッフら球宴開催に関わった全ての関係者たちはスポーツが持つ力を信じ、それぞれが、それぞれの立場で役割を全うした。あれから10年。これからも東北とともに――。

 グラウンドとスタンドの「つなぎ役」がスタジアムDJだ。現在はナレーターとして活躍する古田優児(46)は球団創設時からDJを務め、11年の球宴でも特設ブースで熱気を肌で感じていた。

 「球場が一体になる役割を果たしたい」という使命感が震災を経てさらに強くなった。当時は球団に「野球なんてやっている状況か?」という声が届いていたのも事実。それでも本拠地開幕戦や球宴で笑顔でプレーを楽しむファンの姿を見て「野球の底力」を感じた。どちらの試合も田中将が自身のコールとともに先発のマウンドに上がった。「マー君のひた向きに投げる姿に感動して、アナウンスしながら自然と涙がこぼれた」と振り返る。

 今年の球宴では同時開催される予定だった「キャッチボールクラシック」の司会役でかつての本拠地を再訪するはずだった。だがコロナ禍でイベントが中止になってテレビ観戦。「声を出して応援できないのは寂しいけど、この状況でも選手とファンは一体になれる」。今も野球の底力を信じている。

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2021年7月18日のニュース