東京六大学野球 リーグ史上初の無観客開催 「一刻も早く元の姿に」

[ 2021年4月25日 12:50 ]

<明大・慶大>東京六大学野球リーグ戦史上初の無観客試合が始まる(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 東京六大学野球春季リーグ戦が25日、無観客で開催された。神宮球場には無観客と知らずにチケットを求めるファンも多数、訪れた。午前10時1分に慶大―明大2回戦のプレーボールがかかった。

 応援団、控え部員も入場を認められない異様な雰囲気。両校のベンチからの声が球場に響く。投球時に「ウッ」と発する投手の声も響く。普段は賑やかな吹奏楽の応援が鳴り響き、聞こえることのない音が、良く聞こえた。

 東京六大学野球連盟の内藤雅之事務局長は、静かな神宮球場を見て、口を開いた。「学生や応援団が母校を応援し、一体となるのが本来の東京六大学野球。そういう姿がないのは凄く残念だし、悔しい気持ち。控え部員、応援団の方々にも申し訳ない」。

 同連盟では感染拡大防止のために、政府の方針に沿ってリーグを運営することを昨年から徹底してきた。だからこそ、開催方式は従来通りではなかったが、昨年も春秋のリーグ戦を、全国26連盟で唯一、開催できた。今回も苦渋の決断。試合開催の延期も想定したが、スケジュールの問題もあった。内藤事務局長は「一刻も早く元の姿に近づけられるようにしたい」と言った。

 法大時代に同リーグで最多記録となる通算48勝を挙げた全日本野球協会(BFJ)の山中正竹会長は現在、東京六大学野球連盟の評議員も務める。無人のスタンドを横目に言った。

 「スポーツは健康と平和な環境でやることが大前提で成り立っている。運営する側もプレーヤーもみんなが努力して試合ができている。球場に入れなくても、スポーツが開催されていることで勇気づけられる方もいると思う。昨年から、スポーツがそういう力を示してきた」。

 緊急事態宣言が解除され、再び神宮にあの熱気が戻ることを、みんなが願っている。(川島 毅洋)

続きを表示

この記事のフォト

2021年4月25日のニュース