阪神・佐藤輝 満塁の屈辱は満塁でお返し プロ初の4打点は、前日失策での4失点と同じ 

[ 2021年4月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神13-1DeNA ( 2021年4月24日    甲子園 )

<神・D>初回1死満塁、木浪の適時二塁打で生還し、ナインの出迎えに笑顔の佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が24日のDeNA戦でともにプロ初の3安打&4打点で3連敗からの脱出に貢献した。2本の適時打は、いずれも満塁機。右前打を後逸して打者を含む走者4人を生還させた前夜の悔しさを同じ満塁で晴らした。今季最多の18安打13得点を誘発し、首位の座も堅守した。

 満塁、また、満塁。ある意味、佐藤輝は野球の神様から試された。そして、乗り越えた。胸に抱えた悔しさを思う存分、バットに込めた。1点を先制した初回、なお1死満塁。名誉挽回の好機で極限まで集中した。

 「何とかしたかったんで…気持ちで振り切って。外野まで飛んだので良かったです」

 直球2球を見逃しとファウルで追い込まれ、3球目に来た低めのスプリットを見極めた。振り抜いたのは4球目。上茶谷の内角146キロだ。詰まっても、思いが勝った。ライナーで一、二塁間を破り、2者が生還。「いい当たりではなかったですけど、いい結果だったと思います」。通算4度目の満塁機での初安打&初打点だった。

 2回も再び無死満塁で打席が回り、今度はカウント2―2から左腕・桜井の甘く入ったスライダーをはじき返した。風にも乗って中堅フェンスに直撃。「入ってほしかったですけど、今日は浜風と仲良くなれなかった」。一塁走者・サンズが二塁止まりだったことで記録は単打でも、再び2者を生還させて序盤で試合を決めた。

 「昨日の悔しさもあったので、打てて良かった」

 前夜は2点劣勢の5回1死満塁で右前打を後逸。打者走者まで生還させる痛恨のプロ初失策だった。3連敗も重なり、雪辱の思いは当然強かった。

 「次は絶対しないように、どうしたらいいかって考えましたけど。しっかり切り替えて、今日は絶対やるぞって気持ちでやりました」

 矢野監督ら首脳陣にも「次はやらないように、この失敗を生かして」と背中を押された。翌日すぐ、しかも同じ満塁からの適時打2本で取り返した。4打点はプロ最多。あの失策で失った4点と同じ数だ。6回先頭では風張から右中間二塁打を放ち、初の猛打賞も付いた。「もちろん2本よりも3本がいい」とうなずいた。

 「やってしまったことは返ってこないので、一日一日しっかりと全力でやって。日々勉強だと思って、いろんなことを勉強しながらやっていきたい」

 歩みを止めることはない。経験した失敗から学び、一歩ずつ成長していくのみだ。(阪井 日向)

 ▼阪神・矢野監督 昨日ミスした中で、しっかり打ってくれたのは大きい。ミスもあるし、三振もあるし、それは積み重ね。後から振り返って、ああいうところから乗ってきたって1本にするかは、テル次第。

 《シーズン89打点ペース》佐藤輝(神)が自己最多の1試合4打点。阪神の新人では19年木浪が4月19日の巨人戦で3ランと適時打で4打点して以来2年ぶり。新人で4月までに15打点は今季、牧(D=18打点)に続く2人目の到達だが、球団では50年徳網茂の17、56年大津淳の15に次ぎ2リーグ制後3人目だ。現在シーズン89打点ペース。これは徳網の持つ球団新人記録69打点を上回る。

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