13試合ぶり先発出場の阪神・木浪 2安打4打点で「1イニング2失策」の苦い記憶を吹き飛ばした

[ 2021年4月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神13-1DeNA ( 2021年4月24日    甲子園 )

<神・D>初回1死満塁、木浪は右越えに3点適時二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 帰ってきた。甲子園で阪神・木浪が復活した。13試合ぶりの先発出場で2安打4打点。苦しんだ時を経て、背番号0が輝きを取り戻した。

 チャンスは絶対にモノにする。気持ちは強かった。初回、3点を先制し、なおも1死満塁。声援を背に受けながら「思い切って初球から振る」と集中していた。スライダーを捉え、走者一掃の右越え二塁打。連敗脱出に向けた首脳陣の起用に、結果で応えた。

 「やってやろうという気持ちしかなかった。ずっと悔しい思いをしていて、ベンチで見ていることが多かったけど、気持ちだけは切らさずに準備をしていた」

 悔しい思いの始まりは9日のDeNA戦だった。途中出場の8回に1イニング2失策。勝敗には影響しなかったが、翌10日にドラフト6位・中野に初先発の抜てきを許した。チームは白星を重ね、中野も一時5割を超える打率で新風を吹き込んだ。誰のせいでもない。自らのミスがきっかけ。眠れない夜、木浪はバットを振り続けて、チャンスを待った。

 「とにかくバットを振った自信はある。昨夜もスタメンが分かっていたので、すごく準備した。試合では楽しいという気持ちが強かった。これからもチームに貢献するだけ」

 6回1死二塁からは右翼線適時二塁打で計4打点。守っても4、5回に2度の併殺プレーを成功させるなど、伊藤将をもり立てた。矢野監督も「3連敗なので、悔しい気持ちが出ている選手で行こうと思った。競争があって、チームは上がっていく」と積極性を評価した。お立ち台で受けた歓声を木浪は決して忘れない。(鈴木 光)

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