「ただいま!」楽天・マー君、日本復帰1勝が最速100勝 6回1失点、仙台お立ち台で笑顔の第一声

[ 2021年4月25日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2ー1西武 ( 2021年4月24日    楽天生命 )

<楽・西>日本復帰後初勝利を挙げ、お立ち台で笑顔の田中将(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 楽天・田中将大投手(32)が24日、本拠地・仙台での西武戦で6回3安打1失点と好投し、日本球界復帰後初勝利を飾った。13年11月3日の日本シリーズ第7戦以来2729日ぶりの本拠地登板で日本通算100勝目。177試合目の100勝到達は2リーグ制以降では史上最速となった。

 8年待った。日本では2729日ぶりの本拠地での登板。開幕後の右ふくらはぎ故障で、1カ月遅れになった。「ただいま!何か不思議な感じがします。でも物凄くうれしいです」。田中将はお立ち台で、8年ぶりに仙台のファンの前で声を響かせた。

 このマウンドに立ち腕を振るため、異例の古巣復帰を決断した。大リーグ球団のオファーもあった。「イーグルスでプレーし、また日本の方々の前で投げることを上回るものはない」。選手として大切にするものは「氣(気)持ち」。気持ちを込めて投げ続けるため、楽天の背番号18に袖を通し、戻ってきた。

 不在だった7年間、米国でも常に東北とともに戦っていた。ヤンキースの7年間で173試合に先発。開始40分前、必ずこなしたルーティンがある。特別編集されたモチベーションビデオを見て、気持ちを高めていた。その中に必ず含めてもらったのが、13年11月3日、日本シリーズ第7戦で球団初の日本一を成し遂げたシーン。当時は無我夢中だったという。「でも見返してみた時には、やはりジーンとなってしまうこともありました。毎試合見てゲームに入っていた」。そのマウンドは復帰後初勝利の舞台にもなった。

 前回17日の日本ハム戦は直球で2被弾し、5回3失点で黒星発進。この日は序盤スライダーで組み立てた。中盤以降は直球の割合を増やしファウルを稼ぎ、カットボールでも積極的に振ってくる相手を誘った。スプリットは落差が狙い通りでなく、メジャーと異なり軽打で拾ってくる打者のアプローチを感じ取ると、奥の手も。普段は投げない、120キロ台後半のスプリットチェンジを多投し面白いように決まった。投球の幅の広さを見せつけて「ゴロアウトや、いいスイングをさせなかったり。バランスを崩せた」。2回は6球、4回は8球、6回は5球と1桁の球数。3者凡退に料理したイニングが4つもあった。6回68球と余力を残したまま後を託した。

 日本通算100勝目も「間がだいぶ空いているので、実感はないかな」とした。帰ってきた意味は分かっている。「日本一に向かって頑張っていくので、また皆さんと喜びを分かち合えるように頑張りたい」。8年前と同じ頂点のマウンドへ。2度目の日本一を勝ち取るため、円熟味を増した投球で第一歩を踏み出した。(後藤 茂樹)

 《球団初の大台》田中将(楽)が24日の西武戦で日本通算100勝を達成。プロ野球139人目、楽天では初めて。初勝利は07年4月18日のソフトバンク戦。通算177試合目での達成は39年スタルヒン(巨)の165試合に次ぎ、48年藤本英雄(巨)に並ぶ2位。2リーグ制の50年以降では61年杉浦忠(南海)の188試合を抜く最速となった。

 ▼楽天・小山投手コーチ 彼の能力で球数を少なくまとめてこられた理由として、今日は変化球が良かったので、このような結果になったのかなと思う。

 ▼楽天・ディクソン(初回に不規則なバウンドとなる幸運な先制適時打)田中投手の記念すべき日に後ろで守れて光栄。素晴らしい記録に貢献できて良かった。

続きを表示

この記事のフォト

野球の2021年4月25日のニュース