パラカヌー瀬立モニカ 右肋軟骨疲労骨折も強行出場で3連覇

[ 2020年9月13日 18:28 ]

今季初の公式戦に臨んだ瀬立
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 日本パラカヌー選手権が13日、石川・小松市木場潟カヌー競技場で行われ、女子カヤックシングル200メートル(運動機能障がいKL1)で東京パラリンピックに内定している瀬立モニカ(22=江東区協会)が今季初の公式戦に出場した。1週間前に右肋軟骨を疲労骨折しながらも、強行出場。横風と大雨が吹き荒れる悪天候も重なったが、1分5秒069で、18年の大会中止を挟んだ3連覇を果たした。

 まさに、超人と言わざるを得ない。全治1カ月の疲労骨折をした瀬立は、ドクターストップを振り切って、痛み止めとテーピングをしてレースに登場。「試合でしか味わえない緊張感やワクワクを感じるために出場した。自分なりに最後まで精一杯こげたと思う」と笑顔で語った。

 高校1年の体育の授業で、倒立前転を失敗して脊髄損傷を負った瀬立。現在は胸から下が動かせない状況で、上半身を支える肋軟骨のケガは、「日常生活もすごく大変だった」という。一方で肋骨部分の疲労骨折は、五輪種目のカヌースプリントやボート競技の選手にまれに見られる。「五輪選手レベルまでに練習を追い込めていたのかなって思います。めちゃくちゃ前向きです」とトレードマークの“モニカスマイル”がはじけた。

 昨年8月の世界選手権で5位となり、パラカヌーで唯一東京大会への出場を決めている。江東区出身の瀬立にとって、競技会場の江東区海の森水上競技場は「まさに地元」。来夏に向けて「まずは東京大会の開催を願う。まずはケガをしっかり治して、ベストなパフォーマンスができるようにあと1年頑張りたい」と決意を口にした。

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2020年9月13日のニュース