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ザック監督“厳命”ドログバをつぶせ!初戦を最重要視

[ 2013年12月8日 05:30 ]

抽選会を終え、報道陣の質問に答えるザッケローニ監督(左)

 ドログバをつぶせ!14年W杯ブラジル大会の組み合わせ抽選が6日(日本時間7日)に行われ、日本はコートジボワール、ギリシャ、コロンビアと同じ1次リーグC組に入った。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)は初戦のコートジボワール戦を最重要視する考えを示した。実力拮抗(きっこう)のC組を突破するためスタートダッシュを決める。なお、初戦の試合開始時間は14日午後10時(日本時間15日午前10時)に変更となった。

【W杯1次リーグ組み合わせ C組日程 出場チーム】

 1次リーグ突破のシナリオは完成した。初めて経験するW杯抽選を終えるとザッケローニ監督の目付きは勝負師のそれに変わっていた。「全ての試合が大事だが、何よりスタートダッシュ。コートジボワールは力がある。だからこそ大切だ」。指揮官が最重要視したのはシード国のコロンビアではなく、初戦のコートジボワールだった。

 強じんな肉体を誇るストライカーのドログバ(ガラタサライ)やマンチェスターC所属のヤヤ・トゥーレらビッグネームを擁するアフリカの強国。だが、戦い方を変えるつもりはない。「名前負けせずにやることが大事だ。引いて守るだけではダメ。相手をうかがいながら仕掛けたい」。それは攻めて相手エースを消すという、ドログバつぶしの厳命だった。

 前回対戦はW杯南アフリカ大会直前の10年6月。0―2で完敗した。その試合では闘莉王(現名古屋)がドログバと接触し、右肘を骨折させてしまうアクシデントが発生。その影響からか、コートジボワールは1次リーグで敗退している。ドログバもその因縁は忘れていないはずだ。

 敵将ラムーシ監督とは師弟対決となる。ザッケローニ監督がインテル・ミラノで指揮を執っていた03年、選手として活躍していた。ラムーシ監督は「彼がどういう仕事をするかよく知ってるよ」と笑う。卓越した指導力でコートジボワールの黄金世代を統率、アフリカ予選を無敗で突破してきた。ザッケローニ監督もその手腕を知るからこそ会見中、5度も「スタートダッシュ」という言葉を繰り返し、初戦に照準を定める。

 もちろん、他国も気は抜けない。指揮官はギリシャについて「欧州No・1ではないが、過小評価はしない」と語り、世界屈指のストライカー、ファルカオ(モナコ)を擁するコロンビアは「優勝候補で間違いない」と評した。比較的恵まれた感のあるC組だが、その分、力は拮抗している。そこで連勝発進すれば、難敵コロンビア戦を前に一気に1次リーグ突破を決める可能性もある。

 98年大会以降、初戦を勝利したチームの決勝トーナメント(T)進出確率は84・8%の高確率だ。1次リーグを突破すれば、決勝Tの初戦では「死の組」D組に入った母国イタリアと激突する可能性も出てくる。ザッケローニ監督の脳裏には既に描かれているであろう、最高のストーリー。「それはその時、話しましょう」。イタリア人指揮官は不敵に笑った。

 ◆ディディエ・ドログバ 1978年3月11日、コートジボワール生まれの35歳。5歳でフランスへ移住。ル・マン、ギャンガン、マルセイユ、チェルシー、上(シャン)海(ハイ)申(シン)花(ファ)を経て今年1月からガラタサライ(トルコ)でプレー。12年にチェルシーで欧州CL優勝。06、09年アフリカ年間最優秀選手。02年からコートジボワール代表。1メートル88、91キロ。利き足は右。

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