広島 最終節で奇跡の逆転連覇!円熟パスサッカーで快挙

[ 2013年12月8日 05:30 ]

<鹿島・広島>J1連覇を喜ぶ広島イレブン

J1最終節 広島2―0鹿島

(12月7日 カシマ)
 ミラクル連覇だ。広島が勝ち点2差を逆転し、最終節で劇的なリーグ制覇を決めた。アウェー鹿島戦はFW石原直樹(29)の2ゴールで2―0と快勝。首位の横浜がアウェーの川崎F戦で0―1で敗れたため、07~09年に3連覇した鹿島以来の偉業となった。川崎Fは3位に浮上し、アジア・チャンピオンズリーグの出場権を獲得した。
【J1順位表 試合結果】

 鹿島を破ってから1分余り。奇跡は現実のものとなった。横浜敗戦の報に佐藤が高萩が歓喜の抱擁。森保監督の声も珍しく上ずっていた。

 「今は空っぽというか、自分が何を話しているのかすら、よく分からないくらい。メンタルのタフさが必要とされる試合で選手が一丸となってよくやってくれた」

 持ち味が凝縮した大一番だった。石原の前半35分の先制ゴールは巧みなパスワークと連動から生まれた。エース佐藤がDFを引き付けてできたスペースに石原が走り込む。そこに高萩が絶妙のパス。飛び出してきたGKに慌てず右足でゴールネットを揺らした。後半35分の追加点も青山と清水の連係から再び石原が決めたもの。円熟味を増したパスサッカーが歓喜をもたらした。

 昨年は初優勝。しかし、直後にDF森脇の移籍が決定した。大型補強もない中、森保監督は「ポテンシャルのある選手は多い」と現有戦力の底上げを図った。昨季途中加入のDF塩谷が穴を埋め、MF野津田ら若手も成長。「ウチは可能性と将来性があり、スタイルに合う選手を獲得している」と胸を張った。

 信念である「チャレンジ」と「目の前の一戦に最善を尽くす」を貫いた。練習では安全なプレーを選ぶより、ミスを恐れずトライする姿勢を植え付けた。結果に一喜一憂することなく、準備を怠らないことも強調。負けた試合では良い部分を見つけ、勝った試合でも修正点を見いだした。

 「結果はコントロールできないが、プロセスはコントロールできる」。思いは選手に伝わり、王者はより強くなった。実証したのは、首位攻防戦となった10月19日の横浜戦と負ければ優勝が遠のく11月23日のC大阪戦の敗戦。試合後は落ち込む選手も多かったものの、翌週の試合はともに勝利を収める底力を見せた。

 2年目を迎え戦術もさらに浸透した。ペトロヴィッチ前監督が植え付けた攻撃サッカーに、強固な守備というエッセンスを付け加えた。通算29失点はリーグ最少。先制した試合は18勝2分けと安定感抜群だった。同じ優勝でも昨年より勝ち点は1少ないものの、指揮官は充実感を口にした。「研究してきた相手を崩すのは難しい。序盤にケガ人も出て、厳しい戦いの中で積み上げた勝ち点63は、去年と同じか、それ以上の価値がある」。揺るぎない強さを手に入れた広島が来季、史上2クラブ目の3連覇に挑む。

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