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大久保 父に捧ぐ得点王!川崎F4季ぶりACL切符に貢献

[ 2013年12月8日 05:30 ]

<川崎F・横浜>試合後のインタビューで涙を流す川崎・大久保

J1最終節 川崎F1―0横浜

(12月7日 等々力)
 こみ上げる熱いものを抑えられなかった。26得点で得点王に輝いた川崎Fの大久保は試合後に父・克博さん(享年61)が亡くなった年に得点王を獲った思いを聞かれ涙をこぼし絶句した。「(亡くなった)その年に獲りたいというのが凄いあった。それで獲れたので」。自らに課した課題をクリアし、あらためて父を思った。

 開幕後10試合は4得点だったが、父が危篤に陥った直後の5月11日のC大阪戦で2点。同12日に死去した後は23試合で20得点と量産した。10月6日の柏戦では試合中に首を負傷。両腕に重度のしびれを感じながらも得点した。「両足首に(痛み止めの)注射を打って出たこともある。股関節も痛かった」。父への思いは満身創痍(そうい)の体も突き動かした。この日は得点できなかったが、後半9分、右足のミドルシュートをGKがはじきレナトが決勝点。4季ぶりのACL出場権をたぐり寄せた。

 父が亡くなる前に書いた手紙がある。病魔と闘いながら力を振り絞った文字、文章は乱れていたが、その言葉は確かに胸に刻まれた。「嘉人身の回りをきちんとせ 日本代表になれ 空の上から見せともうと」。来年のW杯について大久保は「出たい気持ちはありますよ」と言い切った。得点王だけじゃない。果たすべき最後の約束がある。

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