「スッキリ」終了へ 急速に進むテレビ離れに「3冠王」日テレにも危機感

[ 2022年11月11日 05:12 ]

日本テレビ「スッキリ」終了へ

日本テレビ
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 【記者の目】ここ数年、改編期のたびに「スッキリ」の終了は話題になっていたので驚きはない。ただ、視聴率は「低迷」というレベルまで落ちてはいない。それでも改革に取り組むのはなぜなのか。

 テレビ局の人は「縦の流れ」という言葉をよく使う。「朝から夜までいかにチャンネルを替えずに見てもらえるか」と考えるからだ。その上で、朝は縦の流れをつくるのに大事な時間帯。ある日テレ関係者は「スッキリの視聴率が上がってこないと、好調のゴールデン帯に影響を及ぼしかねない。縦の流れを考えると改革が必要だった」と話す。

 日テレは昨年、年間の世帯視聴率で2冠、広告収入の指標と言われる個人視聴率で11年連続の3冠を達成。盤石の体制を築いてきたが、局内に危機感は強い。理由は「PUT」と呼ばれる数値の低下だ。「パーソン・ユージング・テレビジョン」の略で、テレビ全体の視聴率を示すもの。これが昨年と比べて1割以上も低下。テレビ離れが急速に進んでいることを示している。

 テレビ以外の事業展開を進めている日テレも、軸が広告収入であることに変わりはない。昨年から改編スローガンには「オフからオンへ」という言葉が入る。業界トップながら「テレビのスイッチをつけて」と訴えている。新番組がスイッチを入れて見たくなる番組であることを期待したい。(放送担当・伊藤 尚平)

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2022年11月11日のニュース