「和田弘とマヒナスターズ」松平直樹さん死去 88歳、肺炎 先月末に体調不良訴え緊急搬送

[ 2022年6月19日 05:30 ]

89年、18年ぶりにオリジナルメンバーで復活した「和田弘とマヒナスターズ」。左から2人目が松平直樹さん
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 ムード歌謡グループの草分け「和田弘とマヒナスターズ」でリード歌唱などを務め、「誰よりも君を愛す」「愛して愛して愛しちゃったのよ」などのヒット曲がある松平直樹(まつだいら・なおき=本名寿夫=ひさお)さんが11日午後7時13分、肺炎のため都内の病院で死去した。88歳。17日に告別式が近親者のみで営まれた。喪主は長男晃(あきら)さん。

 関係者によると、先月末に体調不良を訴え、緊急搬送。一時は回復傾向にあったが容体が急変し、11日に長女にみとられて逝った。近年も歌手活動を続けており、2019年には日本歌手協会が主催する歌謡祭に出演。今年に入ってからも歌唱イベントなどに登場し、持ち前の甘い歌声を響かせていたという。

 日本初のムード歌謡グループとされるマヒナスターズ。米国から取り入れたジャズやハワイアンなどの音楽を下地にヒット曲を連発し、新たなジャンルを確立させた。松平さんは55年に参加し、故松尾和子さんとのデュエット曲「誰よりも君を愛す」で60年に第2回日本レコード大賞を受賞、田代美代子(78)との「愛して愛して愛しちゃったのよ」もヒット。さらには女優吉永小百合(77)のレコードデビュー曲「寒い朝」でも、ともに歌唱。音楽関係者は「松平さんと一緒に歌った人は、みんな大スターになっていきました」と振り返った。

 穏やかで優しい性格だった松平さん。松尾さんには「まっつん」と呼ばれ、かわいがられていた。私生活では無類の車好きで、愛車は英国の人気自動車メーカー「トライアンフ」製。女性にもモテた。どこに行っても親しい女性がおり、当時のスタッフは「車は格好良いし、女性にも好かれた。さっそうとスタジオにやってくる。憧れました」と懐かしんだ。

 松平さんのお別れの会の開催は未定だが、日本歌手協会によると今年11月に開催予定の恒例イベント、歌謡祭で「追悼コーナーの実施を検討しています」と回答。共演歌手らの登壇を計画している。

 ◇松平 直樹(まつだいら・なおき、本名寿夫=ひさお)1934年(昭9)3月22日生まれ、東京都出身。立大在学中の55年にムード歌謡グループ「和田弘とマヒナスターズ」に参加。NHK紅白歌合戦に10回出場。70年に独立し「松平直樹とブルーロマン」を結成して「幸せになってね」を発売。83年に解散後はソロ活動と並行してマヒナスターズとしても活動していた。

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2022年6月19日のニュース