【前回の鎌倉殿の13人】第23話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「金剛 稀なる成長 曽我兄弟 稀なる美談」

[ 2022年6月19日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第23話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「金剛 稀なる成長 曽我兄弟 稀なる美談」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は19日、第24話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第23話(6月12日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第23話は「狩りと獲物」。嫡男・万寿(金子大地)の披露目の場とするため、御家人を集めて富士の裾野で「巻狩り」を行うことを決めた源頼朝(大泉洋)。工藤祐経(坪倉由幸)が称賛する中、頼朝を憎む曽我十郎(田邊和也)五郎(田中俊介)兄弟らが謀反を計画。梶原景時(中村獅童)から企みを知らされた北条義時(小栗)は急ぎ、父・時政(坂東彌十郎)の元へと向かう。時政は五郎の烏帽子親だった。不穏な気配が漂う巻狩りには、義時の愛息・金剛(坂口健太郎)も…という展開。

 巻狩りとは、猪や鹿を仕留める大規模な狩りのこと。武士にとっては軍事演習の側面も持ち、坂東各地の御家人が富士の裾野に集結した。

 日本三大仇討ちの一つ「曽我兄弟の仇討ち」(曽我事件)は三谷氏の“新解釈”。比奈(堀田真由)との逢瀬を試みた頼朝が、曽我兄弟の襲撃を逃れる強運。祐経が身代わりに討たれた。

 捕らえた五郎の詮議。五郎に兵を貸した時政も罪に問われかねない状況を切り抜けるべく、義時が唯一の策を講じ、頼朝に報告。「これは敵討ちを装った謀反ではなく、謀反を装った敵討ちにございます。つきましては、一つ、お願いがございます」――。

 景時「曽我五郎時致。父・河津祐泰の敵、工藤祐経を討ったこと、坂東武者として誠にあっぱれ」

 五郎「何?」

 景時「さりながら、恐れ多くも巻狩りの場で騒ぎを起こしたことは、到底許し難し。よって、斬首とする」

 義時「鎌倉殿からのお言葉でござる」

 頼朝「曽我五郎。おぬしら兄弟の討ち入り、見事であった。稀なる美談として、末代までも語り継ごう」

 五郎「違う!俺が狙ったのは、頼朝だ!祖父、伊東祐親を死なせたのも、坂東をおかしくしたのも、頼朝なんだ!聞いてくれ!」

 金剛は前回の子役(森優理斗)から一気に成長し、本役に。初登場シーンに「成長著しい金剛」のテロップが表示され、視聴者の爆笑を誘った。

 今回の“大河絵”は金剛、弓が苦手な万寿のために用意された“動かぬ鹿”、万寿の矢が命中した比企能員(佐藤二朗)、そして曽我兄弟と「富士の巻狩り」の光と影を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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